青森県の八甲田山は、美しい自然と温泉地として知られるが、1902年に発生した八甲田雪中行軍遭難事件により、多くの兵士が極寒の中で命を落とした歴史を持つ。この悲劇の舞台となった八甲田山では、今もなお兵士の霊が目撃され、「行進する足音」「助けを求める声」「無人の別荘からの謎の119番通報」などの怪奇現象が報告され続けている。今回は、八甲田山にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
八甲田山とは?
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八甲田山は、青森県に位置する標高1,585mの山であり、美しい自然と温泉地としても知られている。
しかし、その静寂な風景の裏には、日本の軍事史に残る壮絶な悲劇が眠っている。
1902年1月23日、日本陸軍第八師団の歩兵第五連隊が冬季訓練のために雪中行軍を決行。
しかし、極寒と猛吹雪の中で隊は壊滅的な被害を受け、210名中199名が命を落とした。
この「八甲田雪中行軍遭難事件」は、世界的にも類を見ない規模の山岳遭難事故であり、多くの兵士が極寒の中で凍死したとされる。
それ以来、八甲田山では数々の怪奇現象が報告され続けている。
八甲田山の心霊現象
八甲田山の心霊現象は以下の通りである。
- 後藤房之助伍長の像周辺での兵士の霊の目撃談
- 行軍隊の亡霊の足音が聞こえる
- 旧兵舎跡で「今帰った」と囁く声が聞こえる
- 遭難現場で軍靴の行進音が鳴り響く
- 無人の別荘からの謎の119番通報
これらの怪異について、以下に記述する。
後藤房之助伍長の像周辺での兵士の霊の目撃談
後藤房之助伍長は、遭難事件の生存者の一人であり、仮死状態のまま救助されたが、蘇生措置によって奇跡的に意識を取り戻した。
彼の発見時の姿を模した像が建立されているが、この像の周辺では夜になると亡霊が現れるという噂が絶えない。
あるカップルが像を訪れた際、女性が付近のトイレに入ったまま戻らなかった。
心配した男性がトイレを覗くと、彼女は気絶しており、髪が真っ白になっていた。女性はその後も記憶を失ったままだという。
行軍隊の亡霊の足音が聞こえる
事件直後から、青森連隊駐屯地の衛兵詰所では夜ごとに「行進する兵士の足音」が聞こえた。
これを恐れた衛兵たちは交代勤務を拒否する者まで出たという。
ある夜、連隊長が詰所に赴き、「お前たちの死は無駄ではなかった」と亡霊たちに語りかけた。
そして軍刀を抜き、「回れ右、前へ進め!」と号令をかけた。すると足音は次第に遠ざかり、それ以降二度と聞こえることはなかったという。
旧兵舎跡で「今帰った」と囁く声が聞こえる
遭難事件が起こった後、兵舎内では毎夜「今帰った、今帰った」という声が響いた。
ある夜、兵士の一人が声の主を探しに外に出ると、その瞬間に声は消え、影すら見えなかった。
これは、遭難して凍死した兵士たちが故郷へ帰ろうとしていたのではないか、と言われている。
遭難現場で軍靴の行進音が鳴り響く
深夜の八甲田山を訪れると、静寂の中で突如「雪を踏みしめる軍靴の音」が響くことがあるという。
音は一定の間隔を保ち、まるで行軍のように聞こえるが、あたりを見回しても誰もいない。
現場には古びた軍帽が落ちていたという証言もある。
無人の別荘からの謎の119番通報
2014年5月17日深夜、八甲田山にある無人の別荘から消防に119番通報が入った。
しかし、受話器の向こうからは「ざーざー」というノイズしか聞こえなかった。
消防隊が現場に駆けつけたが、人がいた形跡はなく、通報元の黒電話は元の位置にあったという。
いったい誰が電話をかけたのか、未だに謎に包まれている。
八甲田山の心霊体験談
八甲田山を訪れた登山者の中には、奇妙な体験をした者も少なくない。
夜間に遭難現場を通過した登山者が、「寒い…助けてくれ…」といううめき声を聞いたという証言がある。
振り返ると、そこには顔が凍りついた軍服姿の男が立っていた。
しかし、次の瞬間には消えていたという。
八甲田山の心霊考察
八甲田山の怪異は、ただの都市伝説ではなく、実際に事件が起こった歴史に基づいている点が特徴的である。
199人もの兵士が極寒の中で無念の死を遂げたため、その強い怨念が霊として現れているのかもしれない。
また、当時の軍隊は厳しい規律のもとに動いていたため、亡霊たちも未だに行進を続けているのではないかという説もある。
「行軍の足音」や「号令の声」が残るのは、凍死した兵士たちが命令に従い続けている証拠なのかもしれない。
また、119番通報のような現象は、霊の仕業ではなく自然現象や機械の誤作動で説明できるかもしれない。
しかし、通報元の電話が受話器を置いたままだったことは不可解であり、何者かが助けを求めたのではないかとも考えられる。
このように、八甲田山は今もなお亡霊たちが彷徨う、恐怖の心霊スポットである。
興味本位で訪れる際には、何か異変が起こるかもしれない。
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