鹿児島県奄美市名瀬、朝戸峠の旧道にひっそりと残る「名瀬隧道(旧朝戸トンネル)」。昼でも薄暗く、人通りも少ないその場所では、クラクションを3回鳴らすと霊が現れる、後部座席に霊が乗る、逆さまの女の霊が現れるなど、数々の不可解な心霊現象が語り継がれている。今回は、名瀬隧道(旧朝戸トンネル)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
名瀬隧道(旧朝戸トンネル)とは?
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名瀬隧道は、鹿児島県奄美市名瀬に位置する朝戸峠の旧道に存在する古いトンネルである。
1957年に竣工され、現在は新道の開通により人通りも車通りも少ない場所となっている。
トンネル周辺は鬱蒼とした木々に囲まれ、昼間でさえ薄暗く、不気味な空気が漂っている。
近隣に住宅街はなく、民家からも遠いため、夜間はとくに人気がない。
地元では子供の頃、この辺りで遊んでいたという話もあるが、現在はその静けさと異様な雰囲気から、むしろ近寄られない場所として知られている。
名瀬隧道(旧朝戸トンネル)の心霊現象
名瀬隧道の心霊現象は、
- トンネル内でクラクションを3回鳴らすと霊が現れる
- 女性2人で訪れると心霊現象が起きやすい
- 後部座席に見知らぬ女と少女の霊が座っている
- 女性の霊が逆さまの状態でトンネル上部から現れる
- 子供の笑い声や足音が日中でも聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
名瀬隧道では、車でトンネル内に入り、中央あたりでクラクションを3回鳴らすと霊が現れるという都市伝説が広く知られている。
特に女性2人で訪れると霊障が強く出る傾向があるとされており、過去に命に関わる事件も起きている。
ある夜、2人の女性が興味本位でトンネルに入り、言い伝え通り中央でクラクションを3回鳴らした。
無事に出口までたどり着き、安心してUターンしようとした瞬間、車が突如としてエンストを起こした。
真っ暗な車内。緊張が走る中、後部座席を見た友人が絶叫する。
そこには、濡れたような黒髪の女と、その横に小さな少女が、無表情でじっと座っていたという。
2人は恐怖で車外に飛び出したが、運転していた女性は突如錯乱状態に陥り、持っていたボールペンを自分の耳に突き刺して、そのまま地面に倒れた。
現在もその女性は心的外傷によって入退院を繰り返しているとの話がある。
また別の証言では、夜のトンネルに入った瞬間、トンネル上部から女性の霊が逆さまの状態でスーッと現れたという。
全身が青白く、目だけがぎらつくように開いており、目が合った瞬間、身体が金縛りのように動かなくなったという体験談も残されている。
さらに、昼間であっても子供の笑い声や足音がトンネル内に響き渡ることがある。
周囲には遊び場もないにもかかわらず、誰もいないはずの場所から複数の子供の声が聞こえるのだ。
名瀬隧道(旧朝戸トンネル)の心霊体験談
「学生の頃、よく名瀬隧道へ遊びに行っていた。昼間でも、トンネルの中からは子供の笑い声や走る足音が聞こえてきた。最初は気のせいかと思ったが、何度も同じような現象に遭遇している。ある晩、友人と訪れたとき、トンネルの天井付近から逆さまに吊るされたような女性がスーッと降りてきた。顔は逆さで、真っ直ぐこちらを見つめていた。まるで意識を飲み込まれるような感覚になり、身体が動かず、死を覚悟した瞬間だった。」
名瀬隧道(旧朝戸トンネル)の心霊考察
名瀬隧道の心霊現象の多くは「視覚的出現」と「聴覚的幻聴」に分類される。
とくに出現する霊体が女性と子供に集中していることから、過去にこの地で母子にまつわる悲劇的な事件があった可能性が考えられる。
また、クラクションを3回鳴らすという「呼び水」のような儀式的行動が心霊現象の引き金になるという点で、意図的に霊を呼び寄せる要素が存在している。
これは、場所に霊的な「溜まり」がある場合や、土地に特別な因縁がある場合に多く見られる特徴である。
一部の霊能者は、このトンネルに「抜け道としての霊道」が交差しており、通常の空間とは異なる次元の隙間が生じていると語っている。
特定の条件が揃ったとき、普段は見えない存在と空間が重なってしまうのかもしれない。
名瀬隧道。
かつては人々の移動を支えたただの旧道トンネルに過ぎなかったはずが、今ではその名を聞くだけで恐怖が呼び起こされる存在となっている――。
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