宮崎市の住宅街にある「大塚台8号街区公園」。明るく穏やかな雰囲気の中に、不気味な公衆トイレがひっそりと存在する。そこでは少年の霊や自殺者の霊が目撃されるなど、複数の心霊現象が語られている。今回は、8号公園公衆トイレにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
8号公園公衆トイレとは?

正式名称は「大塚台8号街区公園」であり、宮崎市の住宅街の一角にひっそりと存在する公園である。
広さはそれほどでもないが、ブランコやすべり台などの遊具が揃い、子ども連れに人気の場所となっている。
公園の中心には広場があり、ボール遊びをする子どもたちの笑い声が響くのが日常の光景である。
だが、公園の端にひっそりと建てられた公衆トイレだけは、異様な空気を漂わせている。
トイレの裏手は民家に面しており、立地としては落ち着かない印象を与える。
トイレの隣には「宮崎市自主防災隊」と刻まれた小さな倉庫があるが、その存在がむしろ場の異様さを強調しているとの話がある。
公園には2つの入口があり、真ん中の入口からは明るい印象を受けるが、端の入口からトイレへと向かう小道は、昼間でもどこか陰鬱な雰囲気を醸し出しているという。
8号公園公衆トイレの心霊現象
8号公園公衆の心霊現象は、
- トイレ内に少年の霊が現れる
- トイレを使用中に誰かの気配を感じる
- 深夜、公園に誰もいないはずなのにトイレのドアが開閉する音が聞こえる
- かつての自殺者の霊が現れるという噂がある
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も知られているのは、「少年の霊」の目撃情報である。
利用者の中には、誰もいないはずの個室に人影を見たという者が後を絶たない。
その影は、明らかに小柄な体格で、まるでこちらを覗いているかのようにじっと佇んでいたという。
扉を開けても誰もいない。ただ、湿ったような足音と、微かに鼻をすする音だけが残っていたという。
また、トイレに入ると「誰かが後ろにいるような気配」を感じるという証言も多い。
個室を使用中、扉の外から覗かれているような視線。紙を取ろうとした手の先に、別の手が一瞬重なったという者さえいる。
夜になると、トイレのドアが勝手に開閉する音が響き渡るという。
誰も公園にいないはずの深夜、バタン、ギイィ…と、金属の軋むような音が何度も繰り返される。
確認に行った者の中には、その場で強い頭痛に襲われたという者もいる。
さらに、最も忌まわしい噂として語られているのが、「過去にこのトイレで自殺者が出た」という話である。
詳細な記録こそ残っていないが、地元の古い住人の間では、このトイレにまつわる「死の話」は代々語り継がれている。自殺者は若い男性で、家族とも絶縁状態だったという。
その霊が今なお彷徨い、利用者に対して無言の訴えを続けているのではないかと囁かれている。
8号公園公衆トイレの心霊体験談
ある地元の主婦が、夕方に子どもを連れてこの公園を訪れたときのこと。
子どもが「トイレに行きたい」と言い出したため、例の公衆トイレに向かったという。
母親が子どもを待っていると、中から「おかあさん…」と、微かに違和感のある声が聞こえた。
息子の声とは明らかに違った。慌てて中を覗くと、子どもは青ざめた顔で立ち尽くしていた。
聞くと、便器の向こう側から小さな男の子が顔を出し、にやりと笑ったのだという。
子どもはそれ以来、この公園には一度も行きたがらなくなったそうである。
8号公園公衆トイレの心霊考察
この場所に現れるという「少年の霊」と「自殺者の霊」、その両者が同一の存在である可能性は否定できない。
精神的に追い詰められた若者の魂が、幼い頃の姿で現れているとも考えられる。
あるいは、何か別の、より古い因縁がこの地に潜んでおり、それに引き寄せられるかのように霊が現れているのかもしれない。
また、公園という子どもたちの「無垢な空間」と、公衆トイレという「閉鎖的で孤独な空間」が同居していることが、霊的な不協和を生み出しているのではないかと考えられる。
日常と非日常の境界が曖昧なこの場所は、現世と異界が交差する「隙間」としての役割を果たしている可能性が高い。
無邪気な声が響く昼の顔と、静寂と気配に満ちる夜の顔。8号公園公衆トイレは、二つの世界をつなぐ“裂け目”なのかもしれない。
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