尾道大橋には、自殺者の霊や不可解な現象が数多く報告されており、地元では心霊スポットとして知られている。今回は、尾道大橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
尾道大橋とは?

尾道大橋(おのみちおおはし)は、広島県尾道市の本州本土と向島を結ぶ海上道路橋である。
国道317号線に属し、1968年(昭和43年)に開通した斜張橋で、日本初の本格的な長支間斜張橋として土木学会田中賞を受賞している。
尾道水道の約200メートル幅の海上を渡る橋であり、建設当初は有料道路であったが、2013年に無料開放された。現在では生活道路としても利用され、歩行者の通行も可能である。
近年では交通の利便性とともに、その橋にまつわる“ある噂”が静かに語られている。
それは、数多くの飛び降り自殺と、不可解な心霊現象に関する話である。
尾道大橋の心霊現象
尾道大橋の心霊現象は、
- 老婆の霊が現れる
- 丑三つ時に橋の下で手招きする霊が目撃される
- 橋からの飛び降り自殺が後を絶たず、自殺の名所として知られている
- 近づく者を引き寄せるような“気配”が漂う
である。以下、これらの怪異について記述する。
尾道大橋に最も多く現れる霊は、老婆の姿をした者である。
目撃されるのは決まって丑三つ時。時間帯は午前2時から2時半頃。
その時間に橋の下を歩いていると、海辺の岩場あたりに白い影が立っているという。
それは明らかに人間とは異なる存在であり、誰にでもわかるように、手をゆっくりと招いてくるのだ。
その霊を見たという者は、ただの視覚的幻覚ではないと語る。
霊が手を招いた瞬間、強烈な頭痛や吐き気に襲われ、その場を動けなくなった者もいるという。
中には、老婆の霊が突然姿を消した後、橋の上から何かが“落ちる音”を聞いた者もいる。
だが、そこには何もなかった――誰の姿も、遺留品も、跡さえも。
さらに、この橋は「自殺の名所」としても知られている。
地元住民によれば、飛び降りた人間の数は正確に把握できないほど多く、中には遺体が発見されずじまいとなった例もあるという。
そのため、「浮かばれぬ霊」が橋の下に居座り、人を呼び込むのではないかという噂が絶えない。
橋を渡る者の中には、突然の耳鳴りやラップ音(霊がいるとされる時に発生するパチパチという音)を体験した者もおり、何かがこの世の者を拒んでいる、あるいは引き込もうとしているかのような“異常な空間”と化しているのである。
尾道大橋の心霊体験談
ある人物の母親は、丑三つ時に尾道大橋の下を通った際、まったく見覚えのない老婆が手招きをしていたのを目撃したという。
「まるで、こっちに来いと言われているようだった」と彼女は語った。
その表情はなく、目すらもなかったという。
また、別の体験談では、橋の近くにあったとされる廃屋に入ったグループが恐怖に襲われた話がある。
夕方4時頃に入った建物内は異常なまでに暗く、奥へ進むにつれて「パチ…パチ…」というラップ音が耳元で鳴り始めた。
最初はわずかな音だったが、奥に進むごとにその数は増し、やがて彼らの周囲を取り囲むかのように響き渡った。
一人が恐怖のあまり振り返った瞬間、台所と思われる最も暗い部屋の奥に、ぼんやりとした“白い人型”の存在が浮かんでいた。
彼らは恐怖のあまり、二階へは一歩も踏み入れず、逃げるように建物を後にしたという。
これは偶然だろうか? それとも橋に巣食う何かが、その場に“招いた”のだろうか。
尾道大橋の心霊考察
尾道大橋における心霊現象の根底には、数多くの自殺者の存在があると見られる。
飛び降りという選択をした者たちの「未練」や「苦しみ」が、この地に澱のように溜まっているのかもしれない。
中でも老婆の霊に関しては、その姿や仕草から“単なる霊の出現”では済まされないものを感じさせる。
手招きは、無言の誘いであり、警告であり、あるいは道連れの象徴である可能性すらある。
また、尾道大橋は常に風が吹き抜ける構造をしており、海上特有の孤立感や不安感を呼び起こしやすい場所でもある。
こうした環境要因と心霊の噂が結びつき、異常な現象を呼び込んでいるのかもしれない。
ひとたびこの橋に足を踏み入れれば、あなたも“呼ばれている”ことに気づくかもしれない。
白い手が、静かに、確かに、あなたを招いているのである――。
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