鹿児島市松原町にある「パーク松原町」は、一見するとごく普通のコインパーキングである。しかしその場所には、かつて存在した産婦人科病院にまつわる不穏な過去があり、現在でも深夜になると赤子の泣き声や人影といった心霊現象が語られている。今回は、パーク松原町にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
パーク松原町とは?

パーク松原町とは、鹿児島市松原町に位置する小規模なコインパーキングである。
周囲は住宅やマンションが立ち並ぶ静かな住宅地に見えるが、この土地には、かつて重い過去が刻まれていた。
現在のようなパーキングになる前、そこには「鳥丸産婦人科」という古びた病院が建っていた。
鳥丸産婦人科は1960年代に開院し、1990年代に閉院。その後、長らく廃墟として放置され、地元では「近づくな」と囁かれる存在であった。
そして2017年11月、この建物を取り壊そうと作業員が内部に足を踏み入れた際、想像を絶するものが見つかる。
ホルマリンに浸された15体の胎児の遺体が、腐ることもなく冷たいガラス瓶の中で眠っていたのである。
公式には事件性はないとされたが、産声を上げることなく闇に葬られた小さな命たちの怨念が、この土地に深く沈殿しているのではないかと、地元では恐れられている。
パーク松原町の心霊現象
パーク松原町の心霊現象は、
- 夜中に赤子の泣き声が聞こえる
- 看板の下の自動販売機の前で女性のすすり泣く声がする
- 車内に人の気配を感じる
- 空車のはずの区画に、一瞬誰かが立っていたように見える
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのは、「赤子の泣き声」である。
深夜2時を過ぎた頃、パーク松原町に車を停めると、どこからともなく微かに、だが確実に赤子の泣き声が耳に届くという。
その声はときに遠く、ときに耳元で聞こえることもあり、後部座席を振り返っても誰もいないのは当然である。
次に語られるのが、「看板下のすすり泣き」。パーク松原町の看板の下には、1台の自動販売機が設置されている。
真夜中、自販機の前で缶コーヒーを買おうと近づくと、誰もいないにもかかわらず、すすり泣くような女性の声がするという報告が後を絶たない。
この場所こそ、かつて産婦人科の処置室があったとされる方角である。
また、ドライバーの中には、車内に誰かが「いる」感覚を味わった者もいる。
後部座席に視線を感じ、ルームミラー越しに一瞬だけ影が映ったという証言もある。
だが次の瞬間には消え失せている。
最後に、「空車区画に立つ人影」である。
夜遅くに駐車しようと入庫した際、空車マークが点灯している区画に人影が見えたため、他の場所に停めた。
だが、目を凝らして見直すと、そこには誰もおらず、空っぽの駐車スペースだけがぽつんと照らされていたという。
パーク松原町の心霊体験談
実際にこの地で恐怖体験をした者は少なくない。
ある利用者の証言によると、深夜に車を停めてエンジンを切った直後、突然後部座席から「ふえっ……ふえぇ……」という赤ん坊の泣き声が聞こえ、パニックになって車を飛び出したという。
車外に出ると音は止み、戻るとまた始まる。その繰り返しだったという。
また別の利用者は、自動販売機で飲み物を買った際、足元が突然重く感じられたという。
何かが彼の足首にすがりつくような感覚で、恐る恐る下を見ると、そこには何もなかった。
ただ、自動販売機の下から、じっと見つめるような冷たい空気だけが漂っていたという。
パーク松原町の心霊考察
これらの心霊現象は偶然や思い込みでは片付けられない。
すべての怪異が、産婦人科という「生と死の狭間」に存在していた施設の跡地で起きていることは偶然とは言い難い。
特に、胎児の遺体が見つかったという事実は、この土地に深く刻まれた「産まれることの叶わなかった命」の記憶を物語っている。
赤子の泣き声、見えない人影、そして泣く女の声。
これらは、母となれなかった者の後悔と、産声を上げることのなかった命の叫びが重なり合って現れているのではないか。
この地に染みついた未浄化の念が、静かな住宅街の片隅で今なお彷徨っているのかもしれない。
このパーキングは、ただの駐車場ではない。夜が深くなるほどに、見えざるものが顔を出す、「何か」が棲んでいる場所なのである。
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