山口県岩国市に存在する、今は朽ち果てたラブホテル「プチマドンナ」には、背筋を凍らせるような数々の怪異が囁かれている。今回は、プチマドンナにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
プチマドンナとは?

プチマドンナとは、山口県岩国市にかつて存在したコテージタイプのラブホテルである。
1980年前後に開業したと見られ、全15棟ほどの客室が並ぶ構造となっていた。
2013年頃までは営業を続けていた形跡があり、道路沿いには「宿泊全日18時からできます」や「平日フリータイム新設」といった看板も確認されていた。
しかし、現在はその看板も蔦に覆われ、建物全体が緑に飲み込まれたような状態になっている。
周囲には現在も営業中のラブホテルが複数存在する中、この場所だけが取り残されるように、時間が止まっている。
今では廃墟と化し、訪れる者も少ない…はずなのだが、この場所には異様な気配が漂い続けている。
プチマドンナの心霊現象
プチマドンナの心霊現象は、
- 少女の霊が目撃される
- 誰もいないはずの空間から声が聞こえる
- 深夜、女性の叫び声が響き渡る
- 敷地内を徘徊する人影
- オーナー失踪のウワサとそれにまつわる霊の存在
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く報告されているのが、「少女の霊」である。
廃墟となったコテージの間を歩いていると、どこからともなくこちらを見つめる視線を感じることがある。
振り返ると、木立の影に白いワンピースを着た少女が立っていた、という証言が後を絶たない。
また、建物内では、「クスクス」という少女の笑い声や、「助けて」と訴えるような囁きが聞こえるという。
いずれも録音や証拠は残されていないが、現地を訪れた者の多くが“音”に関する異変を報告している。
特に不可解なのは、「女性の叫び声」である。夜間、この一帯に響くように絶叫が聞こえたという体験談が複数存在している。
声の出所は不明で、周囲の営業ホテルからではないことが確認されている。
さらに恐ろしいのが、「人影」の存在である。敷地内を歩いていた者が、窓のない建物の内部で“誰か”が歩く姿を見たという。
また、夜に訪れた者が遠くのコテージの中で、窓の隙間からこちらを凝視する男の姿を見たという話もある。
この人影については、「行方不明となったホテルのオーナーの霊ではないか」とする説がある。
実際、このホテルにはオーナーが忽然と姿を消したというウワサが存在しており、その真偽は定かではないが、都市伝説として地元では有名である。
プチマドンナの心霊体験談
昔、彼女とプチマドンナを利用したことがある。
あの時、部屋に入って間もなく、俺は突然、金縛りに遭った。
身体はまったく動かない。
けれど、意識ははっきりしていた。
天井を見上げた時、そこに“何か”がいる気配がした。
ただの錯覚ではない、明らかに自分を見下ろしている“何か”がいるのだ。
隣にいた彼女は目を覚ましていたが、俺の状態に何も気づいていないようだった。
ただ、彼女も時折、天井の一点を見つめていた。
あのとき、俺たちは“見られていた”のかもしれない。
プチマドンナの心霊考察
プチマドンナで報告されている現象は、一過性の恐怖体験では済まされない重苦しさを孕んでいる。
単なる廃墟ではなく、「何か」が居着いてしまった場所である可能性が高い。
自殺、殺人、そしてオーナー失踪という負の履歴が積み重なった結果、土地自体が強い霊的エネルギーを帯びていると考えられる。
少女の霊は、この場所に取り込まれた“過去の犠牲者”であり、助けを求め続けているのかもしれない。
また、声や叫びの現象は、現世に未練を残す存在の“繰り返し”である可能性が高い。
時間が止まったようなこの空間では、あの日の苦しみが、今もなお繰り返されているのだろう。
プチマドンナは、時間の流れから切り離された“異界”である。決して軽い気持ちで踏み入れてはならない場所なのだ。
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