兵庫県宍粟市と鳥取県若桜町の県境、中国山脈北部に位置する戸倉峠。
かつて旧国道29号としてこの峠を越えていたのが「戸倉隧道」である。
1955年に竣工し、延長742m、幅員5.5m。
しかし1995年、倍以上の長さを持つ新トンネルの開通によりその役目を終え、廃止された。
現在、旧隧道は封鎖され立ち入りできない。
だが、その荒廃した姿と峠の雰囲気から、心霊スポットとしても語られる存在となっている。
戸倉峠と旧戸倉隧道とは?

戸倉峠は標高891m。
旧一級国道としては中国地方で最も標高の高い峠道だった。
現在は1995年竣工・全長1730mの
新戸倉トンネル
が主要ルートとなり、急カーブの続く旧峠道は解消された。
旧戸倉隧道の特徴は以下の通り。
- 延長742.0m
- 幅員5.50m
- 竣工1955年
- 廃止1995年
兵庫県側は木材の搬出基地のようになっており、
鳥取県側には広い駐車スペースが残る。
旧道の異様な光景
現道から分岐すると、状況は一変する。
- 小刻みなカーブの連続
- 片側車線を盛土で塞がれた一車線道路
- 草で人工的に埋められた区間(廃道化工事)
- 鬱蒼とした林道のような雰囲気
兵庫県側では高さ50cmほどの盛土が道路中央を塞ぎ、
「なぜここまで封じるのか」と疑問を抱かせる構造になっている。
トンネル前も土砂で埋められ、
金網や鉄扉で閉鎖。
内部へは入れない。
戸倉隧道の内部状況
外から覗く限りでは、
- モルタルが剥離
- 壁面からの湧水
- 横に走る亀裂
- 照明カバーの落下
今すぐ崩落する危険はなさそうだが、
確実に劣化は進んでいる。
内部には湧水があり、
沢蟹が生息していたという報告もある。
廃トンネルでありながら、
自然が静かに取り戻そうとしている空間である。
戸倉隧道の心霊の噂
戸倉隧道には、次のような噂がある。
- 雨上がりの深夜、振り返ると髪の長い老婆が立っている
- 逃げようとすると入口ゲートが閉まる
- 何かを“連れて帰る”場所
また、兵庫側と鳥取側でゲートの開閉状況が異なるという報告もあり、
「日によって入れる」という話もある。
真偽は不明だが、
峠の静寂と荒廃が想像力を刺激するのは確かだ。
実際の口コミ
■ 危険体験
- 真冬にノーマルタイヤで事故寸前
- 深夜はほとんど車通りがない
- 車にやられそうで怖かった(自転車通行者)
■ 廃道化工事について
- 草で埋め尽くされているのは人工的な盛土
- 環境保護・侵入防止が目的
- 知っていても異様な光景で怖い
■ 心霊的な声
- 「ゲートが閉まって閉じ込められるとか怖すぎ」
- 「途中から草で埋められているのが気持ち悪い」
- 「やっぱり何か出そう」
一方で、
「きれいな場所」「廃墟感がたまらない」という声もある。
実際の心霊体験談
20代女性の体験。
姫路から国道29号線を使い、深夜に鳥取砂丘へ向かう途中、戸倉峠で仮眠。
澄んだ星空の下、車内で眠りに落ちかけたその時——
ドアが開く音。
しかしロック解除音はない。
体は動かない。金縛り。
目の前を、女の足がドンッと踏んでいった。
解けた後、車内には誰もいない。
ドアはロックされたまま。
後に調べると、隣に旧戸倉隧道があることを知ったという。
戸倉峠が怖い理由
- 標高891mの孤立感
- 盛土で不自然に封じられた旧道
- 劣化が進む廃隧道
- 深夜は人の気配がほぼ無い
- 古くから峠越えの歴史を持つ土地
自然と人工物が混ざり合い、
時間に取り残された空間が生む心理的圧迫。
それが「もののけの気配」として語られているのかもしれない。
注意点
- 現在は封鎖されている
- 盛土や崩落の危険あり
- 冬季は積雪・凍結が非常に危険
- 立ち入りは自己責任
まとめ
戸倉隧道は、旧国道29号の歴史を物語る廃トンネルである。
新戸倉トンネルの開通によって忘れられ、
自然に侵食されつつある存在。
しかし、その荒廃と峠の孤独感が、
心霊スポットとしての物語を生み出している。
そこに本当に何かがいるのか。
それとも、人の記憶と恐怖が生み出した影なのか。
標高891mの静寂の中、
答えは今も、鉄扉の向こうにある。






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