山口県の国道262号に位置する佐波山隧道(勝坂トンネル)は、上に火葬場があるという立地や過去の事故、多くの怪異現象が重なり合い、地元で有名な心霊スポットとして恐れられている。今回は、佐波山隧道(勝坂トンネル)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
佐波山隧道(勝坂トンネル)とは?
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佐波山隧道は、山口県防府市と山口市を結ぶ国道262号に存在するトンネルである。
元々は明治20年に竣工されたトンネルが起源であり、度重なる改修を経て、現在では上り下りの別線となった二本のトンネルで構成されている。
下り線の旧道には、明治天皇の行幸記念碑が今も残されており、その歴史の深さを物語っている。
上り線は1971年、下り線は1973年に完成。延長は約600〜670メートル、幅員は8.8メートルである。
このトンネルの上には防府市の火葬場「悠久苑」が位置しており、土地柄もあって、古くから不気味な噂が絶えない。
2009年には豪雨によりトンネル周辺で大規模な土砂崩れが発生し、51棟もの住宅が倒壊。
17名が命を落とすという惨事となり、この地に何か得体の知れぬ“因縁”があるのではないかという疑念をさらに深めた。
佐波山隧道(勝坂トンネル)の心霊現象
佐波山隧道(勝坂トンネル)の心霊現象は、
- トンネル付近の公衆電話が突如鳴り出す
- 電話ボックス内に女性の霊が現れる
- トンネル通過後、車のフロントガラスに無数の手形が浮かぶ
- 横断歩道で女性の霊が出現する
- 白い車に轢かれて亡くなった女性の霊が現れる
- 電話をかけると、大勢の騒ぐ声が聞こえる
である。どれも背筋の凍るような不可解な現象ばかりである。
以下、これらの怪異について記述する。
まず、隧道の山口市側を抜けた左手に設置された公衆電話。
夜間、この電話ボックスに近づくと、誰も触れていないにも関わらず突然ベルが鳴り響くことがあるという。
さらにこの電話から誰かに発信した場合、電話の向こうからは、大勢の人間が騒いでいるかのような“異様な声”が聞こえてくるという証言が存在する。
また、この電話ボックスには、全身が濡れたような薄暗い顔の女性の霊が現れるという。
彼女が誰かを待っているかのように佇むその姿は、目撃者の心に深く恐怖を刻み込む。
さらにトンネルを通過した後、車のフロントガラスにいつの間にか手形がびっしりと付着しているという現象も報告されている。
その手形の大きさはまちまちで、大人とも子どもとも判断がつかない不気味な形状である。
極めつけは、旧道の横断歩道に現れるという女性の霊である。
彼女は昭和40年代に実際に起きた轢き逃げ事故の被害者であり、就職間もない若い女性が白い箱型の車に轢かれ命を落としたという。
以来、その現場では、深夜になると横断歩道に女性の霊が立っている姿がたびたび目撃されている。
佐波山隧道(勝坂トンネル)の心霊体験談
昭和40年代、就職したばかりのある女性が、トンネル近くの横断歩道で白い車に轢かれて命を落とした。
以降、その場所では不可解な現象が続いている。
とある男性の母親が、当時の同僚から聞かされた話によれば、その女性の霊は今でも“自分を轢いた車”が戻ってくるのを待ち続けているという。
その霊が立つ場所は決まっており、防府市側の旧道沿い、かつて「なすび」という食堂があった手前の横断歩道だとされている。
また、事故に関わったとされる車が別の工場に運び込まれた際、その車両の状態や事故時の状況を知る関係者が、最近多発していた幽霊目撃情報と照らし合わせ、「あの霊はあの事故の被害者ではないか」と語ったという話もある。
証拠があるわけではないが、現地で起こる怪異と事故の情報が不気味なほど一致していたのだ。
佐波山隧道(勝坂トンネル)の心霊考察
佐波山隧道にまつわる数々の心霊現象は、いずれもこの土地の「死」と深く結びついている。
火葬場の存在、過去の轢き逃げ事件、土砂災害による多くの犠牲者──こうした背景が幾重にも積み重なり、この場所を“霊の通り道”として定着させてしまったのかもしれない。
特に、公衆電話という現代的な設備でありながら、不可解な現象が頻発している点は注目に値する。
未登録の番号が振り分けられているため、いたずら電話の可能性も完全には否定できないが、受話器を取った者が“異界の声”を聞いたという体験談の数々は、それが単なる悪戯では済まされない領域に達していることを物語っている。
また、ガラスに浮かぶ手形は、現実的な原因では説明のつかない“物理的な痕跡”であり、目撃者に強烈な印象と恐怖を植え付ける。
この地に未練を残し、成仏できないまま彷徨っている霊たちが、今なお何かを訴えかけているのではないだろうか。
佐波山隧道──それは、ただの交通インフラではなく、“境界”そのものである可能性がある。
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