鹿児島県垂水市の自然豊かな観光地「猿ヶ城渓谷」には、古くから数多くの事故が起きてきた背景がある。清流や紅葉、キャンプを楽しむ人々の背後で、今なお語り継がれる数々の怪異。今回は、猿ヶ城渓谷にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
猿ヶ城渓谷とは?

猿ヶ城渓谷は、鹿児島県垂水市に広がる大自然の宝庫である。
本城川の清流や秋の紅葉が美しい刀剣山など、四季折々の表情を見せる自然豊かな渓谷である。
観光施設「森の駅たるみず」には、和洋2種のコテージや温泉も完備されており、アウトドア初心者にも人気のスポットとなっている。
キャニオニングやバームクーヘン作りなどの体験型アクティビティも楽しめる。
しかしながら、この地は単なる観光地ではない。
かつてより数多くの事故が発生しており、川遊び中の水難事故、登山中の転落死など、命を落とした者も少なくない。
そのため、猿ヶ城渓谷は地元では「霊が集まる渓谷」として恐れられている。
猿ヶ城渓谷の心霊現象
猿ヶ城渓谷の心霊現象は、
- 川辺に立つ男性の霊が目撃される
- 不意に足元をつかまれるような感覚に襲われる
- 夜間、コテージ周辺で謎の足音や声が聞こえる
- 岩の隙間から白い手がのぞく
である。以下、これらの怪異について記述する。
猿ヶ城渓谷において最も有名な霊現象は、「川辺に立つ男性の霊」である。
夕暮れ時、水面を見つめている男性の後ろ姿が目撃されることが多いが、声をかけると、姿は一瞬で掻き消えるという。
目撃者の中には、その男が川底を指さしていたという者もいる。
また、川沿いの遊歩道では、急に足元を何かにつかまれたような錯覚に襲われ、転倒する者が後を絶たない。
特に水遊びをしていた子どもが「誰かに足を引っ張られた」と怯えることがある。
これは2015年に実際に発生した高校生の水難事故とも関係しているのではないかと囁かれている。
コテージ周辺では、夜になると誰もいないはずの外から足音が聞こえる、耳元で話しかけるようなささやき声がするなど、宿泊客を不安に陥れる現象が報告されている。
特に深夜2時から3時にかけて、音の頻度が増すという。
さらに、遊歩道の途中にある大きな岩の隙間から、白く細い手が伸びているのを見たという証言もある。
手は動くことなく、ただそこにあるだけなのだが、その存在感は異常で、見た者は声も出せぬほどの恐怖に陥るという。
猿ヶ城渓谷の心霊体験談
ある若者グループが夏の夜にキャンプに訪れた際の話である。日中は楽しく川遊びをし、夜はコテージでバーベキューを楽しんでいた。
深夜、男性のひとりがトイレへ向かう途中、川辺に人影を見つけた。
「こんな時間に誰かいるのか?」と不審に思い近づくと、それはじっと川を見下ろしている男の姿だった。
声をかけようとした瞬間、その男の首が不自然に曲がり、真後ろを向いてこちらを見たという。
目が合った瞬間、男の姿は闇に溶けるように消えた。
あまりの恐怖に男性は絶叫し、その声に驚いた仲間たちが駆けつけたが、そこには誰もいなかった。
翌朝、彼らが帰ろうとしたとき、車のフロントガラスには無数の手形がついていたという。
猿ヶ城渓谷の心霊考察
猿ヶ城渓谷にまつわる霊現象は、単なる偶然や自然の錯覚だけでは説明できないものが多い。
過去に起きた数々の事故――水難、転落、そしてその背後にある「未練」は、今なおこの地に残留しているのではないかと考えられる。
特に、川辺で目撃される男性の霊は、2015年に事故で亡くなった高校生と関連があるとも言われている。
急流に足を取られ、助けを求めながらも声が届かなかった無念。それが、今なお「誰かに気づいてほしい」という形で姿を現しているのかもしれない。
また、森と岩が生み出す閉鎖的な空間と湿度の高い気候は、霊的エネルギーを留めやすいとも言われている。
猿ヶ城渓谷という自然の中に、人ならざる存在が息づいているとしたら、それは決して不思議なことではない。
注意してほしいのは、見えなくともそこに「いる」可能性があるということである。
猿ヶ城渓谷に足を踏み入れるときは、その静寂の中に潜む何かの気配に、ぜひ耳を澄ませてほしい
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