西南戦争の激戦地・田原坂の近くに位置する七本官軍墓地には、戦死した官軍兵士約300名が眠っている。彼らの霊が今もなお現世に現れ、叫び声や金属音、軍人の姿として目撃されているという。今回は、七本官軍墓地にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
七本官軍墓地とは?

七本官軍墓地とは、明治10年(1877年)の西南戦争において、政府軍(官軍)として戦った兵士たちの魂を慰めるために建てられた墓地である。
特に田原坂の戦いの後、熊本県の植木町周辺、吉次・木留・辺田野・平野・滴水などで命を落とした兵士たちが埋葬されており、その数は約300名にものぼる。
内訳は、軍人276名、軍夫10名、警察官14名。
彼らの墓碑には、階級・氏名・所属隊名・戦死した日や場所・出身地までが克明に刻まれている。
埋葬者の中には、熊本鎮台14連隊所属の河原林雄太少尉の名も見られ、東京・大阪・名古屋・広島・熊本など全国から集められた兵士がここに眠っている。
官軍墓地は全国に21カ所あるとされているが、この七本官軍墓地は田原坂のすぐ近くに位置し、とりわけ霊的な噂が絶えない場所として知られている。
七本官軍墓地の心霊現象
七本官軍墓地の心霊現象は、
- 軍人の霊の目撃情報
- 戦場のような叫び声が聞こえる
- 金属がぶつかるような音がスマホの録音に入る
- 霊が田原坂方面へ向かう姿が見られる
である。以下、これらの怪異について記述する。
七本官軍墓地を訪れた者の中には、整然と並んだ墓石の間に、軍服姿の霊が立っていたという証言がある。
墓碑の前で手を合わせていると、背後から誰かに肩を叩かれた感触があったが、振り返ると誰もいなかったという。
また、スマホで周囲の音を録音すると、風もないはずの静かな墓地に「ウワァァ!」という怒号のような声や、「カン、カン」という金属音が入り込むという報告が相次いでいる。
まるで刀剣や銃剣がぶつかり合う戦場の一瞬が、音だけ蘇るかのようである。
さらには、夜間にこの墓地のあたりを車で通過した人々が、霊と思しき兵士たちが田原坂の方向へ向かって歩いていく様を目撃している。
墓地に眠る彼らは、霊となってもなお、田原坂での戦いを終えていないのかもしれない。
七本官軍墓地の心霊体験談
ある男性は、真夏の夕暮れ時に七本官軍墓地を訪れた際、墓石を撮影していたスマートフォンの画面に、明らかに現在の風景には存在しない“兵士の影”が映っていたという。
しかも、その影はじっとカメラを見つめるように立っており、慌てて現場を離れたが、しばらく耳鳴りと頭痛に悩まされたとのこと。
また別の女性は、墓地を後にして車に乗り込もうとした瞬間、どこからともなく「進め!」という叫び声が耳元で聞こえた。
周囲には誰もいなかったという。
七本官軍墓地の心霊考察
七本官軍墓地にまつわる霊現象は、その数と内容からみて偶然や錯覚で片づけられるものではない。
300名におよぶ戦没者が眠る場所であり、しかも彼らは戦の最中に命を落とした者たちである。
突然の死、そして果たせなかった任務や想いが、その霊魂をこの地に縛り付けているのではないだろうか。
特に「叫び声」や「金属音」、「行進する霊の姿」といった現象は、彼らが今もなお、戦場に身を置いているかのような印象を与える。
田原坂という激戦地の名残が、地に染み込み、時間を超えて霊的な現象として現れているとも考えられる。
この地を訪れる際には、霊たちの無念を思い、敬意を持って手を合わせることが大切である。
そうしなければ、ふとした瞬間に“彼ら”と目が合ってしまうかもしれない。
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