大阪市住之江区にある住之江公園は、昼間は穏やかな都市公園として親しまれている一方で、夜になると人影や視線を感じたという静かな心霊の噂が語られてきた。今回は、住之江公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
住之江公園とは?

住之江公園(すみのえこうえん)は、大阪府大阪市住之江区北加賀屋一丁目に位置する都市公園であり、大阪府が運営・管理を行っている総合公園である。
園内は「花と緑とふれあう」「広々とした施設で遊ぶ」「スポーツを楽しむ」という三つのコンセプトを基に整備されており、緑地ゾーンや大池、野球場、テニスコート、プールなど多様な施設を備えている。
公園の西側には府道29号大阪臨海線を挟んで住之江競艇場があり、南西側には大阪護國神社が隣接している。
現在は家族連れや散歩、スポーツ利用者が多く訪れる開放的な公園である。
歴史を辿ると、住之江公園は住吉公園の敷地縮小に伴う代替公園として計画され、1927年に起工、1930年に竣工した。
戦中・戦後には護国神社の造営や競輪場の設置など、時代の流れに翻弄されながら姿を変えてきた土地でもある。
住之江公園の心霊現象
住之江公園の心霊現象は、
- 競艇場側の木陰にあるベンチで、人の形をした黒い影を見たという目撃談
- 夜間、公園内で誰かに見られているような感覚に襲われるという話
- ベンチやトイレ付近で人影を感じたという証言
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も知られている噂は、競艇場に近い側の木々が生い茂ったエリアに設置されたベンチでの目撃談である。
夜、人気の少ない時間帯に、そのベンチに「人が座っている」と思い近づくと、実際には誰もおらず、代わりに人の形をした黒いモヤのようなものが一瞬だけ見えたという。
その影ははっきりとした顔や手足を持たず、輪郭だけが人の姿をなぞるように浮かび上がっていたとされる。
目撃者が目を凝らした瞬間、影は薄くなり、最初からそこに何もなかったかのように消えたという。
また、夜の公園を歩いていると、背後や林の奥から視線を感じることがあるという話も複数存在する。
音や声はしないものの、「誰かがいる」と確信するような感覚だけが残るという点が共通している。
住之江公園の心霊体験談
ある人物は、夜に公園内を通り抜けた際、競艇場側のベンチ付近で妙な違和感を覚えたという。
遠目には誰かが座っているように見えたため、気にも留めず歩いていたが、距離が縮まるにつれて、その姿が不自然に黒く、光を吸い込むように見えた。
「人ではない」と感じた瞬間、急に寒気が走り、視線を外したわずかな間に、その存在は消えていたという。
その後、振り返ってもベンチには誰もおらず、周囲には風の音だけが残っていたと語られている。
住之江公園の心霊考察
住之江公園周辺は、長い年月の中で様々な出来事が積み重なってきた土地である。
かつて競輪場や競艇場が近接し、多くの人の歓喜と失意が交錯した場所でもあった。
噂の中には、競艇で大きな負けを抱えた人物の霊ではないかと推測する声もあるが、確証はない。
また、隣接する大阪護國神社の存在や、過去に護国神社横の児童公園で首吊り自殺があったとされる話も、この地域に重い空気を残している可能性は否定できない。
現在の住之江公園は整備が行き届き、昼間は穏やかで安全な公園である。しかし、夜になると人の気配が薄れ、静寂が支配する。
その静けさの中で、過去の出来事や人の感情が、黒い影や視線という形で感じ取られているのかもしれない。
日常と非日常が紙一重で交わる場所、それが住之江公園に語り継がれる心霊の噂なのである。







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