宮崎県綾町に架かる「照葉大吊橋」。日本で2番目に高い歩行者専用吊橋として知られるこの場所には、美しい景観とは裏腹に、数々の不可解な現象が語り継がれている。自殺者の霊、背後からの声、そして忽然と現れては消える人影──。今回は、照葉大吊橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
照葉大吊橋とは?

照葉大吊橋(てるはおおつりばし)は、宮崎県東諸県郡綾町に位置する歩行者専用の吊橋である。
長さ250メートル、高さ142メートルを誇り、その高さは日本で2番目に高い歩行者用吊橋として知られる。
架橋は1984年3月28日で、周囲の豊かな照葉樹林は九州中央山地国定公園に指定されている。
2010年には老朽化のため総事業費約3億2000万円をかけて架け替えが行われた。
新たに網状の足場が設けられ、橋上から真下を覗き込むことが可能となったことで、スリル感は一層増している。
しかしこの絶景スポットには、もう一つの顔がある。
数多くの心霊現象が、今も静かに囁かれているのである。
照葉大吊橋の心霊現象
照葉大吊橋の心霊現象は、
- 少年の霊が橋の上に現れる
- 背後から声がするのに、誰もいない
- 飛び降り自殺者の霊が目撃される
- 橋の下に、川に佇む人影が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
標高142メートルという高さは、視覚的にも心理的にも異様な圧を与える。
そのためか、この地は自殺の名所として知られており、飛び降り自殺を遂げた者の霊が目撃されることがある。
橋を歩いていると、背後から「ねぇ」と誰かが呼びかける。
しかし振り返っても、そこには誰もいない。ただ風が吹き抜けるだけである。
そんな不可解な体験を語る者が後を絶たない。
また、ある者は橋の下を流れる川に佇む長髪の人影を目撃している。
陽の光も届きづらい深い谷底に、なぜか水浴びでもしているような姿が見えたというが、一緒にいたはずの家族は何も覚えていなかったという。
中には、白い服を着た少年の霊を目撃したという者もいる。決してふざけているのではない。
照葉大吊橋には「人ならざる者」が確かにいるのだ。
照葉大吊橋の心霊体験談
ある男性は6歳か7歳の頃、家族とともに照葉大吊橋を訪れたという。
用を足すため1人で橋の近くの茂みに入ったところ、すぐ横に白い服を着た長髪の女性が立っていた。
距離はわずか1メートルほど。顔を見られていることに気付き、恐怖のあまり一瞬うつむいたが、再び顔を上げるとその女の姿は消えていたという。
この体験はあまりに鮮明で、30年以上経った今でも忘れられないという。
また別の体験者は、橋を渡っていた最中、従姉が「川に誰かがいる」と言い出した。
覗き込むと、確かに水辺に髪の長い人影が見えた。
しかしその出来事を後に話しても、従姉本人には記憶が残っていなかったという。
あのとき見たものは、一体何だったのか。記憶に残るのは“見た者”だけで、“霊”はその記憶すら奪っていくのかもしれない。
照葉大吊橋の心霊考察
照葉大吊橋が心霊の名所として語られる所以は、その異常な高さと静寂、そして自殺の過去にある。
人は死に場所に美しさを求めるというが、照葉大吊橋の絶景は、皮肉にも死を誘い、死者の霊を呼び寄せたのかもしれない。
少年の霊や女性の霊、水辺の人影など、現れる霊の姿は一定していない。
だが共通するのは「突然現れ、そして忽然と姿を消す」ということだ。
これはただの視覚的錯覚や幻覚とは異なり、“何か”が確かに存在している証左ではないだろうか。
背後からの声、消える霊影、忘れられた記憶。それらは全て、照葉大吊橋に染みついた“念”が引き起こす現象なのかもしれない。
もし、この橋を訪れるのであれば、決して1人では渡ってはならない。
無防備な心は、そこに渦巻く霊たちにとって、格好の“標的”となるであろう。
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