鹿児島県出水市にある東光山公園は、展望台や遊具が整備され、昼間は家族連れや観光客でにぎわう自然豊かな市営公園である。しかしその一方で、園内では自殺や不可解な現象が繰り返され、地元では“出る”と噂される心霊スポットとしても知られている。今回は、東光山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
東光山公園とは?

東光山公園(とうこうざんこうえん)は、鹿児島県出水市の標高160メートルの東光山山頂に広がる広大な市営公園である。
園内には展望台や恐竜の遊具、ローラー滑り台、そして330本以上の桜が植えられ、春には夜桜の名所として家族連れや花見客でにぎわう。
また、公園内には「レインボーブリッジ」と呼ばれる陸橋があり、展望台からは出水市街や不知火海、さらには空気が澄んでいれば遠く長島までも望むことができる。
テレビ中継局「薩摩出水中継局」も設置されており、昼間の東光山公園は明るく開放的な空気に包まれている。
しかし、夜になるとその様相は一変する。地元では古くから「自殺の名所」「出る」と囁かれ、恐怖の対象となってきた。
美しい夜景の裏に潜む、数々の闇が眠っているのである。
東光山公園の心霊現象
東光山公園の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 展望台周辺で男性の影が走り回る
- 姿の見えない足音が聞こえる
- ガソリン自殺した者の霊が出る
- 首を吊った霊が木にぶら下がっている
- レインボーブリッジの下に続く“足跡”
- 顔の溶けた霊が目撃される
- 鎧武者の霊が出る
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのは、公園内で自殺した女性の霊である。
彼女はガソリンを全身にかぶり、自らの子供とともに無理心中を図ったとされる。
公園の塔から少し奥へと進むと、ちょうど首を吊るのに適した高さの木がある。
その枝には今なお人の影が揺れているという噂が絶えない。
夜の展望台では、誰もいないはずなのに足音が上ってくる。
気配だけが近づき、姿は最後まで現れない。
時には展望台周辺を駆け回る男性の影が目撃されることもあり、その様子を「現実のものとは思えない」と語る者もいる。
また、公園の名所であるレインボーブリッジの下には、不自然な足跡が続いている。
そこではかつて、性的暴行を受けた女性が自ら命を絶ったという話が伝えられている。
その足跡は、彼女の最後の歩みなのだろうか。
極めつけは、顔の溶けた霊の目撃談である。
子供が突然泣き出し、「怖い顔をしたおじさんがこっちを見てる」と言った場所には、ガソリンを浴びて焼死した男性がいたという。
視える者だけが見てしまう、地獄のような存在がこの公園には潜んでいるのだ。
そして最後に、東光山の歴史に基づかないはずの鎧武者の霊である。
中世、山城が存在していたとの記録はあるが、合戦の詳細は明らかになっていない。
それにもかかわらず、武士の姿をした幽霊が目撃されることがあるという。
時代を超えて怨念が彷徨っているとしか思えない現象である。
東光山公園の心霊体験談
ある日、知人の“視える”子供が家族とともに東光山公園を訪れた際、展望台近くで突如泣き出した。
「あそこに顔が溶けてるおじさんがいて、こっちを睨んでくる」と言ったのだという。
その場所は、まさにガソリン自殺があったとされる現場だった。
偶然とは思えない一致に、周囲の大人たちも震え上がったという。
また、テレビの心霊番組が過去に東光山公園を取材したこともあり、地元の人々の間では「あそこは本当に危険な場所」として認識されている。
東光山公園の心霊考察
東光山公園における心霊現象は、自然死ではなく「自死」に関わる霊の出現が圧倒的に多い点が特徴である。
自ら命を絶った者たちの念は、恨み・悔い・哀しみといった負の感情と共にその地に染み付き、いまだ成仏できずに彷徨っている可能性がある。
さらに、女性や子供にまつわる事件が多いことも無視できない。
霊が現れる場所には、必ず“生前の痛み”が残っている。
例えば、レインボーブリッジの足跡、首吊りの木、顔の溶けた霊など、それぞれが死に至った瞬間の強烈な記憶を再現しているかのようである。
一方で、武士の霊のように歴史との接点が薄いものも存在する。この現象は、土地自体が持つ“負の記憶”が、人の恐怖心や悲しみと共鳴して形を取ったものなのかもしれない。
どれほど美しい風景に包まれていようとも、東光山公園には“ただならぬ気配”が常に漂っている。
訪れる際は、くれぐれも日が暮れる前に帰ることをすすめたい。
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