大阪府箕面市北部の山中にひっそりと残されている「止々呂美の廃墟群」は、造成途中で放棄されたとされる正体不明の廃屋が点在する場所である。今回は、止々呂美の廃墟群にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
止々呂美の廃墟群とは?

止々呂美の廃墟群は、大阪府箕面市下止々呂美の山中に点在している複数の廃屋群である。
正確な造成時期や用途は不明だが、立地や建物の造りから、かつて計画された別荘地、もしくは住宅開発途中で放棄された区画であった可能性が高いと考えられている。
インターネット上の情報によると、少なくとも2007年頃にはすでに廃墟化していたとされ、以降、人が定住した形跡は確認されていない。
周囲は山林に囲まれており、昼間でも人通りはほとんどなく、人工物だけが不自然に残されている光景が広がっている。
近年は新名神高速道路や箕面とどろみインターチェンジの整備が進んだ一方で、この廃墟群自体は開発から取り残されたような状態で、現在も静かに朽ち続けている。
止々呂美の廃墟群の心霊現象
止々呂美の廃墟群の心霊現象は、
- 廃屋付近で人の気配を感じる
- 玄関が赤や青に塗られた廃屋の周囲で異様な雰囲気を覚える
- 写真撮影時にオーブのような光が写り込む
- 理由の分からない視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
廃墟群の中でも特に語られるのが、玄関部分が赤や青といった派手な色で塗装された廃屋である。
周囲の自然や朽ちた建物群の中で、その色彩だけが異様に浮き上がっており、訪れた者に強い違和感を与えるという。
この廃屋の近くでは、誰もいないはずにもかかわらず、人が立っているかのような気配を感じたという証言が複数存在する。
足音や声を聞いたという明確な話は少ないものの、「確実に誰かがいると感じた」という感覚的な報告が多い点が特徴である。
また、廃屋や周囲の風景を撮影した写真に、白く丸い光が複数写り込むことがあり、オーブではないかと噂されている。
撮影時には肉眼で確認できなかった光が、写真にのみ残されている点が不気味さを強めている。
止々呂美の廃墟群の心霊体験談
止々呂美の廃墟群を訪れたという人物の体験談では、「廃墟の中を歩いていると、背後から見られているような感覚が消えなかった」という声がある。
振り返っても誰もおらず、風の音以外は何も聞こえなかったという。
また、赤い玄関の廃屋を撮影した際、撮影後に確認した写真に複数の白い光が写っており、撮影者自身は「その場の空気が急に重くなったように感じた」と語っている。
特別な出来事が起きたわけではないが、終始落ち着かない感覚が続いたという。
これらの体験談に共通しているのは、はっきりとした怪異よりも、説明のつかない違和感や不安感が強く残る点である。
止々呂美の廃墟群の心霊考察
止々呂美の廃墟群では、大きな事件や事故が起きたという明確な記録は確認されていない。
それにもかかわらず心霊の噂が絶えない背景には、土地の持つ歴史や環境が関係している可能性がある。
周辺には天上ヶ岳があり、かつて寺院が存在していたとされる場所や、墓地が点在している地域でもある。
そうした宗教的・死生観と結びつきやすい要素が、人々の感覚を刺激し、廃墟という非日常的な空間と重なった結果、強い不安や気配として認識されているのかもしれない。
また、開発途中で放棄された場所という性質上、人の営みが途中で断ち切られた「空白」が存在している。
その不完全さが、訪れる者に説明のつかない違和感を与え、心霊現象として語り継がれていると考えることもできる。
止々呂美の廃墟群は、はっきりとした怪異よりも、静かに精神を侵食するような恐怖を孕んだ場所であると言えるだろう。







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