裏芝池は阪南市の山中にひっそりと存在し、昼夜を問わず人気がほとんどない孤立したため池である。その静けさゆえに、かつて池周辺で自殺があったという噂や、深夜に得体の知れない人物や霊が姿を現すという不可解な証言が後を絶たない。今回は、裏芝池にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
裏芝池とは?

裏芝池は、大阪府阪南市の山中にひっそりと佇むため池であり、昭和49年(1974)に竣工した比較的新しい施設である。
大谷池のさらに奥に位置し、細いダート道を進んだ先にようやく姿を現す。現在は池の前にフェンスが設置され、立入禁止となっている。
周囲は昼間でも人通りが少なく、林と斜面に囲まれた静かな空間が広がっていることから、かつてはバス釣りを目的に訪れる者もいたが、近年は人影がほとんどない孤立した場所となっている。
裏芝池の心霊現象
裏芝池の心霊現象は、
- 池周辺で男性の霊が目撃される
- 林の奥で女性の泣き声のような音が聞こえる
- 誰もいないはずのフェンスの向こうから足音がする
- 深夜、車を停めていると“お面をつけた何者か”に窓を叩かれる
である。以下、これらの怪異について記述する。
裏芝池では、まず“姿なきもの”の気配が語られる。
池の周囲に近づくと、フェンスの向こう側から一定の間隔で足音が続き、まるでこちらの動きを追うかのように近づいてくるという報告がある。
視界は真っ暗で何も見えないにも関わらず、落ち葉を踏みしめる乾いた音だけが耳元に迫るという。
また、池の対岸では女性のすすり泣きのような声が深夜に聞こえるとされ、風の流れとは明らかに異なる方向から届くため、周囲を見回しても発声源を特定できないという。
これらは、過去に“池周辺の木で首吊り自殺があった”という噂と重ねて語られることが多く、場所の静寂さと相まって不気味さを増している。
さらに、この池の代表的な噂として挙げられるのが“お面の男”の出現である。
深夜に車を停めていると、林の中から急に現れ、車の窓を執拗に叩くという。
これが幽霊なのか、生きている人間による奇行なのかは判断がつかない。
しかし、追いかけるように迫る気配と、異様な動きで窓越しにこちらを凝視するという描写は、訪れた者に強い恐怖を植え付けている。
裏芝池の心霊体験談
ある若者二人が深夜に裏芝池へ肝試しに訪れたときの体験である。
噂の首吊り地点とされる木の近くでふざけていたところ、彼らの背後で突然“木の上から何か重いものが落下したような音”が響いたという。
驚いて車へ走り戻ったものの、エンジンがかからない。
焦りの中、車の窓が突然バンバンと叩かれ、振り向くとそこにはお面をつけた何者かが、身体を不自然に揺らしながらこちらを覗き込んでいた。
ロックをかけていたはずのドアは何故かガチャリと音を立て、押し込まれるように開きかけたという。
必死に押し返していると叩く音が止み、気配が消えた。しかし次の瞬間、後部のドアが開く音がし、お面の人物が荷台へ入り込んできた。
暗闇の車内で、そいつは低いうめき声を上げながらガサガサと暴れ回っていたという。
恐怖で身動きできず目を閉じていた二人だが、しばらくすると荷台の気配がスッと消え、ドアが勝手に閉まった。
ようやくエンジンがかかり、急いで山を下り近くのコンビニへ逃げ込んだ。
恐る恐る荷台を確認すると、そこにはあの人物がつけていたと思われる“面”がポツンと置かれていたという。
二人は震えが止まらず、そのままゴミ箱に捨てて帰宅した。
体験を話した先輩は、語っているだけで鳥肌が立ち続けていたといい、冗談や作り話には到底思えない気迫があったとされる。
裏芝池の心霊考察
裏芝池で語られる噂の多くは、場所そのものの環境が恐怖を助長していると考えられる。
急斜面の林に囲まれ、人がほとんど訪れない暗闇は、わずかな物音でも強い不安を呼び起こしやすい。
また、過去に首吊り自殺の噂が存在していることが、夜間の物音や光の反射を“霊的現象”として受け止めさせる心理的要因となる。
一方で、“お面の男”の一連の出来事は、生きた人間による悪質な脅しの可能性も否定できない。
しかし、真夜中の山奥で車を執拗に叩く行動や、ドアが開閉したタイミング、荷台に残された面など、常識的に考えて不可解な点が多いのも事実である。
霊か、人物か、それとも偶然の積み重ねか──。
裏芝池では、その答えが今もはっきりしないからこそ、訪れた者の心に深い恐怖を刻み続けているのである。






のウワサの心霊話-500x500.jpg)
コメント