高知市の海沿いに建つ5階建ての廃マンション「山下シーサイドマンション」は、生活用品が放置された不気味な廃墟として知られてきた場所である。当初は心霊体験が語られることはなかったが、肝試しで訪れる人々が増えたことで不可解な現象が報告されるようになり、心霊スポットとして噂されるようになった。今回は、山下シーサイドマンションにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
山下シーサイドマンションとは？
山下シーサイドマンションは、高知県高知市の県道14号線黒潮ライン沿いに位置する5階建ての建物である。
海に面しており、その立地や外観から当初はリゾートマンションとして建設された可能性が高い。
1970年前後には存在していたと推測される。
建物は1階部分がピロティ形式の駐車場となっており、外壁は当初オレンジ色を帯びていたが、現在は劣化のため灰色にくすんでいる。
隣接する木造の平屋建ては測量会社の事務所として使用されていたと伝わり、その経営者夫婦が最後の住人であったとの噂が残る。
2010年代前半には既に使用されていない様子が確認され、外壁の劣化やガラスの破損が目立つようになった。
2014年頃には廃墟として扱われるようになり、建物は現存しているが、外壁には蔦が這い、海側の窓ガラスはいくつも砕け落ち、1階には生活用品や家具が散乱したまま立入禁止の措置が取られている。
山下シーサイドマンションの心霊現象
山下シーサイドマンションの心霊現象は、
- 天井に子供の姿をしたものが張り付いていた
- 探索中に窓の外のベランダに人影が立っていた
- 押し入れから視線を感じ、目を向けると何かと目が合った
である。以下、これらの怪異について記述する。
当初、このマンションは心霊体験が語られる場所ではなかった。
ただし、放置された生活用品や勉強机が残された内部は、不気味な気配を放ち、廃墟そのものが恐怖を呼び込む存在となっていた。
やがて心霊スポットとして知られるようになり、肝試しに訪れる者が増えた頃から、次のような現象が報告されるようになった。
まず「天井に張り付く子供の姿」という噂である。探索中、懐中電灯を天井に向けると、そこに小さな人影が這うように張り付いていたと語られる。
生気のない瞳で見下ろされるその姿は、人間というより異形に近い存在であるとされる。
次に「ベランダの人影」である。部屋を歩き回っていると、窓の外、割れたガラス越しに誰かが立っているのを目撃したという報告がある。
夜、波の音が響く中でその影を見た者は、動かぬその存在に足がすくみ、一歩も動けなくなったと証言している。
さらに「押し入れからの視線」である。ある探索者は押し入れを何気なく開いた瞬間、強烈な視線を感じた。
反射的に顔を向けると、中に潜む何かと目が合ったという。
その瞬間、全身に悪寒が走り、押し入れを閉めてもなお視線を突き刺され続ける感覚に襲われたと語られている。
山下シーサイドマンションの心霊体験談
実際に訪れた者の証言によれば、昼間であっても内部は薄暗く、湿った空気とカビ臭が充満しており、歩くだけで足音が異様に反響するという。
ある者は、探索中に突然静寂が訪れ、波の音すら遠のいたかのように感じた。その直後、背後で子供の笑い声が響いたと証言している。
また別の訪問者は、ベランダに立つ影を見たが、次の瞬間には消え去っており、足音も気配もなく、ただ冷たい風だけが吹き抜けていたという。
山下シーサイドマンションの心霊考察
山下シーサイドマンションは、もともと心霊現象が語られる場ではなかった。
しかし、長年放置された生活感あふれる廃墟という環境が、訪れる者の恐怖心を刺激し、心霊スポットとしての名が広まったことは確かである。
そして人々の恐怖や噂が積み重なるうちに、実際に不可解な現象が報告されるようになった点は注目に値する。
廃墟特有の暗闇や静寂は、人間の感覚を研ぎ澄ませ、些細な物音や影を異常な存在として認識させる。
しかし、それだけでは説明できない「視線」「人影」「天井の子供」といった体験が複数報告されていることも事実である。
隣接する測量会社の夫婦が最後の住人であったという話も残されており、その生活の痕跡が廃墟に焼き付いたまま霊的現象として現れている可能性も否定できない。
山下シーサイドマンションは、廃墟と人間の恐怖心が融合した結果、今なお不気味な心霊スポットとして語られているのである。
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