山口県山口市にひっそりと残る旧道「ゆずりは隧道」。現在は通行可能な道として利用されているものの、その薄暗い内部と静けさに、不気味な空気を感じる者は少なくない。今回は、ゆずりは隧道(旧ゆずりはトンネル)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ゆずりは隧道(旧ゆずりはトンネル)とは?
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ゆずりは隧道とは、山口市の国道489号旧道に位置する全長203メートルの旧トンネルである。
1953年に竣工し、かつては地域の交通の要として使用されていたが、現在では並行して新たな「ゆずりはトンネル」が建設されたことにより、その役目を終えている。
隧道は一部コンクリート巻き立て、その他は素掘り構造で、苔むした坑門や内部の湿気が印象的である。
通行可能な車道として残されてはいるものの、落ち葉に覆われ、周囲には人気も少なく、どこか時間に取り残されたような異様な静けさが漂う。
この静寂と薄暗さに包まれた空間が、多くの心霊現象を呼び寄せているとも言われている。
ゆずりは隧道(旧ゆずりはトンネル)の心霊現象
旧ゆずりはトンネルの心霊現象は、
- 女性の霊が目撃される
- トンネル内外で心霊の噂が絶えない
- 付近で自殺者が出たという話があり、その霊が現れる
- 周囲から霊が集まってくると噂されており、霊道である可能性もある
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、最も有名な心霊現象は「女性の霊」の出現である。
通りかかった車のサイドミラーにふと現れる女の影。振り返っても誰もおらず、だが背後からは湿った気配だけが、ぞっとするほど濃く迫ってくるという。
また、付近では過去に自殺があったとされており、その自殺者の霊がこの隧道に現れるという。
深夜、トンネルを歩いていると背後から足音がするが、振り返ると誰もいない。
だが、耳元で誰かの呻き声が聞こえるという体験談もある。
この道は山林と旧道に挟まれており、他にも複数の隧道が近接して存在する。
このためか、周辺の霊がここに引き寄せられるように集まってくると語る者も多い。
まるで、この隧道そのものが“霊の通り道”、つまり霊道であるかのようだ。
さらに、隧道内部の雰囲気も異常である。
照明は一切なく、苔むしたコンクリートと濡れた素掘りの壁面が、昼間であっても深い闇を感じさせる。
視界が悪く、どこからともなく水音が響くこの空間は、人の気配を吸い込み、代わりに何か“別のもの”の気配を放っている。
ゆずりは隧道(旧ゆずりはトンネル)の心霊体験談
ある者は、昼間に車で通過した際、トンネルの途中で突如ラジオがノイズを発し、女性のすすり泣く声が混ざったと語る。
ラジオを切ろうと手を伸ばした瞬間、助手席に人の気配を感じ、反射的に目を向けると誰もいなかったという。
また、夜間に訪れた若者のグループは、車内にうっすらと白い影が写り込んだ写真を撮影し、その後カーナビが誤作動し続けたという。
「何か」が棲みついている。そんな印象を受ける証言が後を絶たない。
ゆずりは隧道(旧ゆずりはトンネル)の心霊考察
この隧道が心霊スポットとして語られる理由は、単なる暗さや静けさといった環境的要因だけではない。
まず、自殺者の霊が現れるという噂が具体的な恐怖を呼び、さらに他の霊を引き寄せる「霊道」としての特徴が加わることで、強力な心霊エネルギーが形成されている可能性がある。
心霊現象の多くは、「その場所に残された想念」に起因すると言われている。
ゆずりは隧道は、役目を終えた旧道として時代からも人々からも取り残された存在であり、その空白の空間に、過去の悲しみや恐怖、未練が凝縮しているのではないだろうか。
加えて、隧道の構造も影響している。
内部の素掘り部分は自然に近く、そこに湿気と静寂が重なり、心霊現象が起きやすい“場”を形作っているように感じられる。
気軽に立ち寄れる隧道であるがゆえに、何も知らずに足を踏み入れる者も多い。
しかし、この場所に流れる空気には、確かに何かが“棲んでいる”としか思えない異質さがある。
たとえ気配を感じなくとも、それは単に“見逃された”に過ぎないのかもしれない。
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