山口県下関市の高台に位置する旧下関市立王江小学校には、閉校後もなお囁かれ続ける不可解な現象があるという。今回は、旧下関市立王江小学校にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧下関市立王江小学校とは?

旧下関市立王江小学校は、1874年に岬之町に開校し、1902年より現在の入江町の地に移転している。
関門海峡を望む高台に位置し、地域の教育の中心として長らく親しまれてきた。
1938年には、山口県内で初となる鉄筋3階建てのコンクリート校舎が完成し、その後も約1万7千人の児童を育て上げてきた歴史ある小学校である。
しかし2022年3月末、統廃合の波に飲まれ、148年の歴史に幕を下ろした。
閉校に際しては、多くの卒業生が校舎を訪れ、思い出を語り合ったという。
その一方で、この校舎にまつわる“ある噂”が近年再燃しつつあるのをご存じだろうか。
旧下関市立王江小学校の心霊現象
旧下関市立王江小学校の心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- 無人の教室から授業中のような声が聞こえる
- 体育館の照明が突如点灯する
- プールの機械が誰も触れていないのに作動する
である。これらの不可解な現象は、学校が閉校して以降も断続的に目撃・体験されており、かつての明るい学び舎は、今や「霊がさまよう学校」として密かに語られるようになったのである。
以下、これらの怪異について記述する。
もっとも知られているのは、少年の霊の出現である。
夕暮れ時、昇降口付近や階段の踊り場に制服姿の少年が立っているのを目撃したという報告が複数ある。
彼の顔は笑っているようで、よく見るとどこか苦しげな表情を浮かべているという。
また、夜になると、すでに誰もいないはずの教室から「はい!」「わかりました!」といった元気な返事が聞こえることがある。
あたかも、かつての授業風景が、時空を超えて繰り返されているかのようである。
さらに不可解なのは、体育館の照明である。
閉校後、電源を落としているはずの体育館の灯りが、深夜に突然点灯することがあり、しかもその直後、誰もいないはずの中からバスケットボールのドリブル音のような音が響くという。
そして、プールのろ過装置などの機械が、誰も触れていないのに勝手に作動することも報告されている。
あたかも、そこにまだ「誰かが泳いでいる」かのような錯覚を抱かせる現象である。
旧下関市立王江小学校の心霊体験談
実際に王江小学校を訪れたという地元住民の体験談によれば、ある晩、閉校後の校舎を通りがかった際に、教室の一つの窓からぼんやりと灯りが漏れていたという。
気になって近づくと、誰もいないはずの室内で、机と椅子が軋む音がした。
まるで、生徒たちが座り直しているかのように。
そして次の瞬間、耳元で「せんせい……」という低い声が聞こえ、恐怖のあまりその場から逃げ出したという。
旧下関市立王江小学校の心霊考察
旧王江小学校にまつわるこれらの現象は、148年という長い歴史のなかで蓄積された記憶と、そこに染みついた“感情の残滓”が影響しているのかもしれない。
多くの子どもたちの歓声が響き、別れや悲しみも経験してきたこの校舎には、ある種の「念」が刻み込まれている。
特に、事故や不幸があったという記録は残されていないが、“霊的な存在”は、必ずしも死と結びついているとは限らない。
子どもたちの純粋な想いや、閉校によって突然居場所を失った魂が、今もなおこの場所に留まり、授業を続けているのではないだろうか。
また、王江小のような歴史ある学び舎が閉ざされたとき、空間の「意味」が失われる。
それが一種の“呪的空間”へと変化する要因にもなりうるのである。
真実は闇の中である。しかし、夜の王江小学校には、今も確かに「何か」が息づいている。
そんな気配が、人々を惹きつけてやまないのかもしれない。
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