埼玉県本庄市の雉岡城には「夜泣き石」という不気味な石があり、この石の周囲ではさまざまな心霊現象が報告されている。今回は、雉岡城の夜泣き石のウワサの心霊話を紹介する。
雉岡城の夜泣き石とは?
雉岡城は15世紀後半、山内上杉氏によって築かれた城で、鎌倉街道と上杉氏の居城・平井城を結ぶ戦略的な位置にあった。
長い歴史を持つこの城には数々の伝承が残されているが、その中でも特に恐ろしいのが「夜泣き石」の伝説である。
本丸の南側に位置する堀の底に「夜泣き石(親子石)」と呼ばれる石が残っており、この石には悲劇的な物語が絡んでいる。
城主の側女であったお小夜は城主の寵愛を受けていたが、城主の正室はそれを嫉妬し、ある日、お小夜を井戸に生きたまま沈めてしまったという。
この時、お小夜は妊娠しており、城主の子を身ごもっていたのだ。
この惨劇の後、井戸や堀の水が白く濁り、夜な夜な赤子の泣き声が聞こえるようになったという。
やがて、井戸を調べたところ、そこから大小2つの石が見つかり、人々はこれをお小夜と彼女の未だ生まれていなかった子供が姿を変えたものだと信じた。
この二つの石は、現在も「親子石」として祀られている。
雉岡城の夜泣き石の心霊現象
夜泣き石には、次のような心霊現象が報告されている。
- 赤子の泣き声が夜になると響く
- 井戸の水が乳白色に変わる
- 石の周りに立つ黒い女性の霊
- 石に触れると不吉な体調不良に見舞われる
これらの現象は、訪れる者に強い恐怖を与え、特に夜間の目撃報告が多い。
雉岡城跡を訪れる者の多くがまず体験するのは、赤子の泣き声だ。
深夜になると、城の堀や井戸の近くから、その声は次第に大きく響き渡るように聞こえる。
その泣き声は非常に生々しく、聞いた者は恐怖のあまり凍りついてしまうという。
また、この泣き声に呼応するかのように、井戸や堀の水が乳白色に濁る現象が度々報告されている。
これは、お小夜が命を絶たれた際に、彼女が子供への愛情を訴え続けている表れだと言われている。
この水の異変は非常に不気味で、地元住民はこの現象を「呪われた水」と恐れている。
さらに、訪問者の中には、黒い服を着た女性の霊を目撃した者も多い。
この霊は、石の近くに立ってじっと城跡を見つめている姿で現れる。
これはお小夜の霊だとされ、彼女が今もなお、無念を抱えてこの世を彷徨っているのだという。
夜泣き石に触れた者には、不吉な出来事が次々と起こるという報告がある。
触れた瞬間、突然の寒気や吐き気、さらには頭痛に襲われ、その場を離れるまで症状が続くことが多い。
これらの体験は、石に何らかの霊的な力が宿っていることを示している。
雉岡城の夜泣き石の心霊体験談
ある地元の住民は、深夜に雉岡城跡を訪れた際、堀の近くで赤子の泣き声を聞いたという。
その声は非常にリアルで、まるで堀の中に赤ん坊がいるかのようだった。
恐怖に襲われた彼はすぐにその場を離れようとしたが、背後からはまるで誰かに見つめられているような視線を感じ、逃げることすらできなかったという。
別の訪問者は、石に触れた瞬間、体中に寒気が走り、その後数日間体調を崩したという。
その後、彼は何度も悪夢にうなされ、お小夜の霊が夢に現れ続けたと語っている。
雉岡城の夜泣き石の心霊考察
これらの心霊現象は、単なる偶然では片付けられない。
お小夜とその子供の無念が、今もなおこの地に影響を与えていると考えられている。
彼女の霊が成仏できずに、夜泣き石としてその姿を変え、城跡に訪れる者たちに警告を与え続けているのだ。
また、井戸の水が白く濁る現象や黒い霊の目撃談は、過去の悲劇がこの地に刻まれた証だとされている。
現地を訪れる際には、特に夜間には十分な注意が必要である。
何かしらの力が今も存在しており、それが時折訪れる者たちに恐怖と不幸をもたらしているのかもしれない。
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