昭和の時代に「顔が浮かび上がる石」として注目を集め、祟りや霊現象が噂された「お化け石」。今回は、お化け石のウワサの心霊話を紹介する。
お化け石とは?
昭和50年(1975年)の夏、高野の仲坪地区にある不動明王の石碑が「人の顔が浮かび上がる」として一大騒動となった。
この石碑は昔から地域で祀られていたが、特別な信仰の対象でもなく、一般的な石碑と変わらぬ存在であった。
しかし、ある日小学生の女の子が石碑に映る人の顔を発見し、その話が瞬く間に広まった。
最初は地元住民の間で囁かれていた噂だったが、次第に話題が広がり、テレビや新聞でも取り上げられることになり、「高野のお化け石」として全国的に知られることになったのである。
石碑には不特定の顔が映し出されるとされ、訪れる人によって見える顔が異なることから、各地から多くの人々が「不思議な顔」を見に訪れるようになった。
この石碑の現象は霊的なものなのか、錯覚によるものなのか、今も多くの謎に包まれている。
お化け石の心霊現象
お化け石の心霊現象は、
- 石碑に亡くなった家族の顔が浮かび上がる
- 髪の長い女性の顔が現れる
- 石碑の前で賽銭を置くと、不幸が訪れる
- 祈祷やお清めをしても顔が消えない
である。お化け石の最大の特徴は、見る人によって異なる顔が浮かび上がることである。
最初に顔を見たとされるのは、小学5年生の女の子で、彼女は家に帰ると両親に「石碑に亡くなったおじいちゃんの顔があった」と伝えたという。
このおじいちゃんは3年前に他界しており、その顔があまりにも似ていたことから噂は急速に広まり、地元住民たちが次々に石碑を見に訪れるようになった。
その後、石碑を見た別の住民が「髪の長い女性の顔が浮かび上がっている」と言い、さらには「知らない老人の顔が見える」など、様々な顔が映し出されるようになった。
中には、この顔たちが「浮遊霊」や「迷い人の霊」であると信じる者も現れた。
この怪現象は時折賽銭が置かれたときにも引き起こされ、石碑の前に置いた賽銭が霊を呼び寄せるのではないかと噂されるようになった。
特に奇妙なエピソードとして、賽銭箱が盗まれた事件があった。
その後、盗んだ者が交通事故に遭い、「お化け石の祟りではないか」と恐れたため、代理人を通じて賽銭を返しに来たという話が伝わっている。
このような出来事が続き、石碑は「触れてはならない場所」として恐れられるようになった。
霊的な影響を払拭しようと、成田山の僧侶が祈祷を行い石碑を清めたが、顔の影は消えることがなく、その後も噂は絶えることがなかった。
最終的には誰かが石碑にスプレーをかけ、表面を覆い隠してしまったとされるが、真相は不明である。
お化け石の心霊体験談
ある男性が石碑を見に訪れた際、「顔が見える」という話を半信半疑で石の前に立った。
その時、石の表面に映るものを注意深く見つめていると、突然、自分の祖母に似た顔が現れたという。
その祖母も数年前に他界しており、驚いた彼は急いでその場を離れたが、後日、体調を崩し病院へ運ばれることとなった。
彼は「石碑に何かが宿っている」と強く信じるようになり、二度とその場所には近づかなくなったという。
また、別の女性が石碑の顔を見に行った際、周囲には誰もいないにもかかわらず「助けて」と低い声で聞こえたと証言している。
その声はまるで遠い昔から届いたかのように、風に乗って響いたと言い、彼女は「石の中に閉じ込められた魂が助けを求めているのでは」と語った。
お化け石の心霊考察
お化け石の現象は、ただの噂や錯覚で片づけられない怪異であると言える。
顔が浮かび上がる理由については「この石が元々霊的な力を持つため」という説や、「石が特殊な地磁気や環境の影響を受けている」という科学的な推測もあるが、未だに明確な答えは出ていない。
また、賽銭を置くことで祟りがあるという話は、石そのものに何かしらのエネルギーが宿っていることを暗示しているのかもしれない。
この石がかつての供養の対象であったという説もあり、時折見える顔や声が過去に埋もれた魂の影響である可能性が示唆される。
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