十石隧道（旧十石トンネル）

茨城県北茨城市中郷町に位置する十石隧道（旧十石トンネル）は、霊が出る心霊スポットとして知られ、訪れる者に恐怖を与え続けている。今回は、このトンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。

十石隧道（旧十石トンネル）とは？

十石隧道は、茨城県北茨城市の県道10号線の旧道にある廃隧道で、昭和25年（1950年）に竣工された。

長い間、この地域の交通を支えてきたが、平成7年（1995年）に新しい十石トンネルが完成したことで役目を終え、現在ではコンクリートで完全に封鎖されているため中に入ることはできない。

このトンネルの脇を少し登ると、さらに古い大正5年（1916年）竣工のトンネルも存在している。

こちらは、かつて北茨城市に点在していた炭鉱から石炭を運ぶトロッコの軌道として使われていたとされ、歴史ある炭鉱地帯の一部を担っていた。

この古いトンネルは現在、水没しているといわれるが、どちらの隧道も多くの曰くが囁かれる心霊スポットとして地元でも恐れられている。

十石隧道で報告されている心霊現象は以下の通りである。

地元の人々はこれらの現象を避けるため、夜間には近づかないよう忠告している。

旧十石トンネルでは、塞がれる前から「子供を探している女性の幽霊が出る」と語り継がれてきた。

白い服をまとった女性がトンネルの奥に立ち尽くし、何かを探しているかのように手を伸ばしているという。

この姿は地元民の間でも有名で、封鎖された現在でもその噂が絶えない。

夜間に新しい十石トンネルを車で通りかかると、車のライトに突如として不気味な人影が浮かび上がることがあるという。

この人影は、トンネルの壁に貼り付くように現れ、目を合わせようとすると消えてしまうという。

そのため、地元では「トンネルを通る際は目を合わせないように」と注意されている。

現在コンクリートで封鎖されている旧十石トンネルの前に立つと、誰もいないはずなのに足音が聞こえることがある。

この音は時に近づいてくるように聞こえ、背後に冷たい視線を感じるという。恐れを感じた訪問者は急いでその場を離れることが多い。

新しい十石トンネルを通り抜けた際に、異常な寒気に襲われるという体験も多く報告されている。

真夏でもひんやりとした冷たい風が通り抜け、寒気が背中を這うような感覚が訪れるという。

中には、トンネルを抜けた後もずっと肩に何かが触れているような不快感が続くと話す者もいる。

ある地元の住民は、まだ旧トンネルが封鎖される前に夜間に訪れた際、奥の方で女性の幽霊を目撃したと語っている。

女性は手を伸ばしながら何かを探しているようで、彼女が姿を消した瞬間に異様な寒気が訪れたという。

恐怖を感じた彼は、そのまま急いでトンネルを後にした。

また、別の訪問者は新しいトンネルを車で通過した際、トンネル内で急に気温が下がり、車のライトに女性の顔が浮かび上がったと証言している。

驚いてハンドルを取られそうになりながらも、急いで通り過ぎたと語る。

十石隧道に現れる心霊現象の多くは、過去にこの地で起きた何らかの事件や事故と結びつけられている。

炭鉱での過酷な労働や事故の影響で、多くの人々が命を落とし、その霊が未だに成仏できずに彷徨っているのではないかと考えられる。

また、子供を探す女性の霊は、事故で亡くなった子供を探し続けている母親の姿とも言われるが、その詳細は不明である。

さらに、トンネルの閉鎖がかえって異様なエネルギーを増幅させ、封じ込められた霊たちが出口を求めてさまよっているのかもしれない。

長い歴史の中で多くの命が関わった場所であり、その影響が今も残り続け、訪れる者に恐怖を与えていると言える。