対馬には古くから「天道信仰」と呼ばれる独自の宗教が存在し、その中心人物である天道法師にまつわる聖地が八丁郭(表八丁郭)である。この場所はかつて「オソロシドコロ」(恐ろしい所)と呼ばれ、禁足地として人々に畏怖されてきた。今回は、八丁郭にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
八丁郭(表八丁郭)とは?
八丁郭は、対馬南部の豆酘(つつ)地区に位置する龍良山(たつらさん)の中腹にあるピラミッド状の石積みである。
基底部は約6.2メートル四方、高さ約3メートルの規模を持ち、「天道法師の墓所」として知られる。
この地は、対馬における天道信仰の中心地であり、聖地として大切にされている。
天道法師は、伝説によれば、白鳳2年(673年)に対馬の豆酘郡内院村で生まれた人物であり、生まれながらにして超能力を持つ聖人とされる。
母親が太陽の光を受けて懐妊したと伝えられ、天道法師は「太陽の子」として崇められた。
天皇の病を癒やした功績から「宝野上人」の号を賜り、対馬では絶大な信仰を集めた。
八丁郭はそのような天道法師の伝説に基づき、長らく禁足地として一般人の立ち入りが禁じられていた。
誤って侵入してしまった場合には、草鞋を頭に乗せて四つん這いになり、「インノコ、インノコ(私は犬の子です)」と唱えることで許しを乞うという儀式が行われた。
八丁郭(表八丁郭)の心霊現象
八丁郭では、以下の心霊現象が報告されている。
- 少年の幽霊の目撃
- 石積みの前での異常現象
- 参拝時の身体的不調
- ルール違反による祟り
少年の幽霊の目撃
夜間、八丁郭の石積みの周辺で少年の幽霊が目撃されるという話がある。
この幽霊は静かに立っているだけで害を与えることはないが、その姿を見ると不思議な寒気に襲われるという。
石積みの前での異常現象
参拝者が石積みの前で写真を撮影したところ、不審な白い影や顔のようなものが写り込むという体験談がある。
この現象は特に夜間に頻発している。
参拝時の身体的不調
参拝ルールを守らずに八丁郭に入った訪問者が、その後に頭痛や吐き気、身体の異常を訴えるケースが報告されている。
この現象は八丁郭に宿る霊的な力によるものとされる。
ルール違反による祟り
八丁郭には以下のような厳格なルールがあり、これを破ると祟りがあるとされる。
- 入る前に塩で身体を清めること
- 大声を出さないこと
- 物を拾って持ち帰らないこと
- 転んだ場合には片袖をちぎって身代わりに置くこと
- 鳥居の前で靴を脱ぎ、裸足で参拝すること
- 墓所に背を向けてはならず、後ずさりして退出すること
八丁郭(表八丁郭)の心霊体験談
体験談1:写真に写り込んだ白い影
ある訪問者が八丁郭の石積みを撮影した際、写真に白い影が写り込んでいた。
現場には誰もいなかったはずで、その不気味さに訪問者は恐怖を感じたという。
体験談2:参拝後の体調不良
別の訪問者は、参拝時に転んだものの袖を置くことを怠った。
するとその夜から高熱と頭痛に悩まされ、再び八丁郭を訪れて謝罪すると症状が治まったという。
八丁郭(表八丁郭)の心霊考察
八丁郭の心霊現象は、天道信仰とその歴史的背景に深く根ざしていると考えられる。
天道法師が祀られるこの地は、神聖さゆえに強い霊的なエネルギーを持つ場所とされる。
心霊現象は、このエネルギーと訪問者の心理的要因が結びついて起こるのかもしれない。
また、参拝ルールや禁足地の伝統が与えるプレッシャーが、訪問者に不思議な体験を引き起こす一因とも考えられる。
これらの現象が科学的に説明できるものなのか、それとも超自然的なものなのかは今も謎のままである。
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