猫峠は福岡県にある峠道で、心霊スポットとして知られている。峠内には水子供養の寺や謎の石碑が点在し、不気味な雰囲気が漂っている。霧が発生しやすく、夜間は視界がほとんど効かないことが多い。今回は、猫峠にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
猫峠とは?

猫峠(ねことうげ)は、福岡県糟屋郡篠栗町と宮若市の境に位置する標高およそ450メートルの峠である。
峠の前後には福岡県道92号宗像篠栗線が通っており、交通の要所としても知られている。
かつては「彦六峠」とも呼ばれ、篠栗方面に抜ける幹線道路として利用されていた歴史がある。
猫峠という名前の由来には諸説あり、一説には猫のような形をした「猫岩」があったためとされるが、古語で「ねこ」とは山の嶺や高所を意味する言葉でもあり、動物の猫とは無関係とする説もある。
この峠は、霧が発生しやすく、夜間はほとんど視界が効かない。カーブも多く、事故が絶えない場所として地元では有名である。
加えて、途中には水子供養の寺「慈照院」や、風雨に晒され苔むした石碑群が点在し、不気味な雰囲気をさらに強めている。
猫峠の心霊現象
猫峠の心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- お婆さんの霊を見たという証言
- 女の子が木で亡くなったという雨の日の怪談
- 異常な霧に包まれ視界が奪われる現象
である。以下、これらの怪異について記述する。
猫峠で最も知られているのは、中学生ほどの少年の霊が追いかけてくるという現象である。
夜間に車で峠を走っていると、ふいに後部座席に人影が映り込み、それが制服姿の少年だったという証言が複数寄せられている。
後ろを振り返ると誰もいないが、ミラーには少年の目だけが映っていたという。
また、白髪のお婆さんの霊を見たという話も後を絶たない。
車を停めて一息ついた際、路肩に立ち尽くす老婆を見かけたという人が複数いる。
その老婆は何かをじっと見つめているが、視線の先には誰もいない。
そして、しばらくするとふっと姿が消えるのである。
さらに恐ろしいのは、雨の日に現れる少女の首の話である。
かつて峠のふもとにあった一軒家の庭に、大きな枯れかけの木があった。
そこで遊んでいた女の子がボールを取りに木へ登り、足を滑らせて枝に首が挟まり亡くなったという。
その事故以来、雨の日になると木の又に“首だけ”が乗っているのが目撃されるようになった。
その首は笑っていたとも、泣いていたとも言われている。
加えて、猫峠では濃霧に包まれる異常現象が語られている。
晴れた夜であっても、峠の中腹から急激に霧が発生し、ハイビームでも数メートル先が見えなくなることがある。
これは心霊現象の予兆ともされており、「霧の中で何かを見た」という証言も存在する。
猫峠の心霊体験談
ある者は、友人と共に夜10時過ぎに猫峠を通った。
最初は桜が咲いており「夜桜がきれいだ」と話していたが、徐々に霧が出始め、やがて前が見えないほどの濃霧となった。
霧の中では異様な静けさが支配し、誰も口を開かなくなったという。
結局、峠の途中で引き返したが、登りきっていたら「何かが出ていたかもしれない」と彼女は語る。
なお、その日は雨も湿気もなく、霧が出るような気象条件ではなかったという。
猫峠の心霊考察
猫峠の心霊現象は、複数の種類が重なり合って発生している点が特徴である。
少年や老婆の霊の目撃談に加え、事故死した少女の霊、さらには霧による視覚的異常が連続して起こることから、単なる偶然とは考えにくい。
猫峠には水子供養の寺や、古い石碑群といった“供養”と“記憶”にまつわる場所が多く存在する。
これらの場所にはかつて多くの死が関わっていた可能性が高く、その土地に未浄化の霊が留まっているとも推測できる。
また、事故が多発する構造や、視界を奪う霧の存在も、そうした霊的干渉によって引き起こされているのではないかとされている。
物理的な危険と霊的な不穏さが共鳴し、猫峠は“ただの峠”ではなく、“霊の通り道”になってしまったのかもしれない。
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