米一丸地蔵尊のウワサの心霊話

福岡市東区箱崎にひっそりと佇む「米一丸地蔵尊」。その地には、平安末期に非業の最期を遂げた若き貴族と、その妻や愛した者たちの哀しき物語が伝わっている。今回は、米一丸地蔵尊にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


米一丸地蔵尊とは?

米一丸地蔵尊の外観

米一丸地蔵尊は、平安末期・文治年間(1185〜1189)にこの地で自害したとされる若き武士・米一丸(よねいちまる)の霊を慰めるために建てられた供養塔と地蔵堂である。

米一丸は駿河国(現在の静岡県)出身の貴族であり、その壮絶な最期と妻・八千代姫との悲恋は、今なお地元で語り継がれている。

この場所は、かつて「米一丸踏切」と呼ばれる踏切があったことで知られており、当時は事故や自殺が多発していたとされる。

現在では鹿児島本線が高架となり、踏切も姿を消したが、その因縁めいた空気は未だ濃く漂っている。


米一丸地蔵尊の心霊現象

米一丸地蔵尊の心霊現象は、

  • 後部荷台が異様に重くなる
  • 夜中に地蔵塔の周囲を人魂が飛び交う
  • 地蔵尊の前を通ると、謎の視線を感じる
  • 不運や病が立て続けに起こる「祟り」に遭う

である。以下、これらの怪異について記述する。

かつて地蔵尊の目の前には「米一丸踏切」が存在していた。

地元ではこの踏切が「呪われた場所」として恐れられていた。

理由は明白である。事故や自殺が不自然な頻度で繰り返され、人々は「米一丸の祟りだ」と囁き合っていた。

現在では高架化され踏切は消えたが、その跡地では夜ごとに地蔵塔の周囲を青白い人魂が浮遊し、誰もいないはずの場所から視線を感じるという報告が後を絶たない。

さらに、自転車で塔の前を通過すると、必ずといっていいほど荷台が重く感じられるという異常現象が知られている。

この荷重感は一瞬の錯覚ではなく、体感的に“何か”が乗っていると感じる者が多い。

さらに恐ろしいのは、「うっかり地蔵尊を見下すような態度を取った者が、数日のうちに事故や病に見舞われた」という実話が複数存在していることである。

ここを軽んじた者には“祟り”がある──そう信じる者は少なくない。


米一丸地蔵尊の心霊体験談

ある地元の男性はこう証言している。

「昔、あそこに踏切があった頃の話です。早朝、東京からの寝台列車が博多に入る直前に、私は自転車で米一丸地蔵尊の前を通りました。すると、後ろの荷台が急にズシリと重くなったんです。振り向いても誰もいない。ただ、空気が異様に重くて、呼吸がしづらい感覚がありました。あれ以来、どうしてもあそこを通れなくなりました」

このように、実際に体感した者の言葉には、生々しい恐怖がこもっている。


米一丸地蔵尊の心霊考察

米一丸地蔵尊にまつわる霊的現象の根源は、やはり米一丸と八千代姫の非業の死にあると考えられる。

米一丸は主君・一条氏の策略により博多で命を狙われ、最期は傷つきながらも箱崎で自害。

さらに彼を慕った影武者・お由紀が命を投げ出し、追ってきた八千代姫もその地で絶命したという。

幾重にも重なる無念と哀しみが、この土地を“穢れの地”としてしまったのであろう。

供養塔が建てられたとはいえ、その霊が本当に鎮まっているかどうかは疑わしい。

供養が不十分であるならば、霊はなおも苦しみ、現世への執着を断ち切れない。人魂や視線、祟りの噂は、その執念の現れではないか。

米一丸の魂はいまだ箱崎の地に彷徨い、地蔵尊の前を通る者を見下ろしているのかもしれない。

そして今宵もまた、誰かがふとした拍子に“何か”を連れて帰ってしまうかもしれないのである。


米一丸地蔵尊の地図

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