北九州市八幡東区にそびえる「皿倉山」には、美しい夜景とは裏腹に、数々の心霊現象の報告がある。今回は、皿倉山にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
皿倉山とは?

皿倉山は、北九州市に位置する標高622メートルの山である。
帆柱連山の一角をなすこの山は、古くから信仰の対象とされてきた。
伝説によれば、神功皇后が西征の折にこの山に登り、夕闇が迫る中で国々を眺望したことから、「更に暮れる山」すなわち更暮山、あるいは更暗山と呼ばれ、それが転じて皿倉山となったという。
また、南北朝時代には合戦の舞台ともなり、多くの血が流された歴史を持つ。
昭和期には八幡製鉄所の有志が山を守るための神祠を建立したが、戦時中に高射砲陣地設営のため撤去されたという記録も残っており、今なお不気味な伝承が語り継がれている。
皿倉山の心霊現象
皿倉山の心霊現象は、
- 展望台で心霊写真が撮れる
- 女性の霊が出没する
- 誰もいないはずの場所から声が聞こえる
- カラー写真がモノクロに変わっていく
- 車のブレーキが利かなくなる
である。以下、これらの怪異について記述する。
皿倉山は、その美しい夜景で知られるが、同時に心霊スポットとしても恐れられている。
特に展望台では、記念写真を撮影した際に心霊写真が撮れるというウワサが絶えない。
中でも、女性の霊が写真の隅にぼんやりと写り込むという報告が多く寄せられている。
恐ろしいのは、それだけにとどまらない点である。
ある者は、撮影したはずのカラー写真が、数日後に見ると全体的にモノクロへと変化していたという。
この現象は複数の証言と一致しており、偶然とは言い難い。
また、展望台周辺だけでなく、山中を歩いている最中に「ヒソヒソ…」と囁くような声がどこからともなく聞こえてくることもある。
辺りには誰もいないにもかかわらず、である。
さらに、帰路に車を運転していた際にブレーキが効かなくなり、ヒヤリとした経験をした者もいる。
車の整備不良とは思えない状況であり、何かに操られていたのではないかという恐怖を感じたという。
皿倉山の心霊体験談
皿倉山での体験談もまた、その恐怖を裏付ける証言に満ちている。
ある女性は13年前の冬、雪の舞う中で皿倉山を訪れた。撮影した写真の一枚に、満月のような丸い光が写り込んでいた。
後に霊媒師に鑑定してもらったところ、それは女性の霊であると判明し、供養のうえ処分したという。
また、別の人物はNHKの建物付近から赤ん坊の泣き声を聞き、頂上へと向かった。
しかし、そこには誰一人いなかった。
奇妙なことに、この山では「カップルの心中」や「女性や子どもの声が聞こえる」といった噂が以前から囁かれており、その現象と符合している。
さらに別の体験者は、頂上近くの駐車場で不可解な存在を目撃した。
家族とともに車で訪れた際、運転席に確かに長い黒髪の女性が座っているのを見たという。
しかし、再度確認すると誰もいなかった。近くにいた他の車には人の気配はなく、ガラスの反射でもなかった。
後になってその光景を思い返すと、背筋が凍るような恐怖を感じたという。
皿倉山の心霊考察
皿倉山には、美しい自然と夜景の裏側に、歴史に刻まれた戦乱や悲劇が潜んでいる。
神功皇后の伝説、戦乱の血の記憶、撤去された祠…それらが折り重なり、この地に何かしらの“念”を残していると考えられる。
写真に現れる女性の霊は、もしかすると語られぬ過去の犠牲者か、山中で命を絶った誰かの残留思念である可能性が高い。
写真の色が変わるという現象も、視覚を通じて霊が干渉している証であるのかもしれない。
声が聞こえる現象、赤ん坊の泣き声、そして車の異常は、皿倉山全体が“何か”に包まれている証左であろう。
この山には、ただの観光地では説明できない異質な気配が確かに存在する。
デートスポットとして賑わう一方で、足を踏み入れた者の無意識にまで忍び寄る“見えないもの”が、この山の本性なのかもしれない。
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