福岡県久留米市の高良山中腹にひっそりとたたずむ「夫婦池(夫婦堤)」。かつては子どもたちの遊び場であったこの池には、今や人知れず戦慄の噂がささやかれている。今回は、夫婦池(夫婦堤)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
夫婦池(夫婦堤)とは?
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夫婦池、または夫婦堤と呼ばれるこの池は、福岡県久留米市山本町豊田、高良山の中腹に位置するため池である。
この地は自然豊かな景観に恵まれており、かつては子どもたちが泳ぎを覚える場として親しまれていたが、現在は遊泳禁止となって久しい。
しかし、この池が単なる田園風景の一部ではないことを示す、不気味な歴史がある。
高良山にはかつて、毘沙門岳城、杉ノ城、鶴ヶ城といった複数の山城が築かれていた。
室町時代から戦国時代にかけての戦乱の記憶が、この山中に深く刻まれている。
そして、夫婦池周辺には、これらの城に関係する「処刑場」が存在していたという口伝が残っており、古くから不穏な噂が絶えない場所でもある。
夫婦池(夫婦堤)の心霊現象
夫婦池(夫婦堤)の心霊現象は、
- 男性の霊が現れる
- 不可解な声が池のほとりから聞こえる
- 夜中に「ヴー」「グァー」といったうめき声が響く
- 処刑場跡地の霊がさまよっているという噂
である。以下、これらの怪異について記述する。
この池に最もよく現れるのは、やせ細った男性の霊である。
夜になると水面近くに現れ、何かを探すように首をかしげながら佇んでいるという。
霧が立ち込める晩には、池の奥からぬっと現れることがあるとも語られている。
また、深夜に池の周囲を歩いていると、背後から「ヴー…」「グァー…」と人のうめき声のような音が聞こえることがあるという。
この声には方向性がなく、まるで空気そのものが呻いているような、異様な感覚に襲われるとされる。
さらに、池の周囲には処刑場の跡地とされる場所が点在しており、その影響か、何もないはずの林の奥から突然誰かがこちらを見ている気配に襲われるという体験も珍しくない。
夫婦池(夫婦堤)の心霊体験談
「小学生の頃、よくこの池で泳いでいた」と語る地元住民によると、ある夏の日の夕方、友人とふたりで池の近くで遊んでいたところ、背後から「うう…」という低いうめき声がはっきりと聞こえたという。
慌てて振り返るも、そこには誰もいなかった。ただ、風もないのに池の水面がざわざわと揺れていたのを今でもはっきりと覚えていると語っている。
この体験以降、その人物は池に近づくことができなくなり、今ではあの場所を遠くから眺めることすら避けているという。
夫婦池(夫婦堤)の心霊考察
夫婦池で語られる心霊現象の多くは、処刑場の存在に由来するものであると推察される。
死者の無念がそのまま土地に染みつき、時を越えてなお訪れる者の前に姿を現すのだろう。
また、「ヴー」「グァー」といったうめき声に関しては、霊の感情が音として浮かび上がっている現象とも考えられる。
通常の音とは異なり、耳で聞くというよりも脳に直接響いてくるような感覚が報告されている点からも、それは物理的な現象ではなく、強い念による干渉と見るべきであろう。
夫婦池は、ただのため池ではない。土地に刻まれた過去の怨嗟が、いまだに形を持って現れ続けている場所なのである。
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