福岡県遠賀郡岡垣町にある「地蔵峠」には、古の怨念と現代の事故が交錯する、数々の心霊体験の報告がある。今回は、地蔵峠(岡垣町)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
地蔵峠(岡垣町)とは?
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地蔵峠は、福岡県遠賀郡岡垣町と宗像市山田を結ぶ峠道である。
名称は、近隣にある「山田地蔵尊 増福禅院」にちなんでつけられたとされている。
増福禅院は1554年、宗像大宮司氏貞によって建立された古刹であり、その由緒は実におぞましい。
この寺院は、宗像家の家督争いに巻き込まれ、無惨にも惨殺された菊姫とその侍女たち、計六人の怨霊を鎮めるために建立されたものと伝えられている。
事件の後、宗像領内では怪死、変死が相次ぎ、山田事件の呪いとして恐れられた。
菊姫の無念と、血で染まった館の記憶が、地蔵尊の由来に深く刻まれているのである。
現在の地蔵峠は、綺麗に舗装されてはいるが、訪れる者はまばらであり、ツーリング中のバイクとすれ違うことが多い。
しかし、道端にはところどころに花束が供えられ、そこに確かに「何か」があったことを物語っている。
地蔵峠(岡垣町)の心霊現象
地蔵峠(岡垣町)の心霊現象は、
- 男性の霊の目撃
- バイク事故を誘発させる霊の存在
- 花束のある場所での異様な気配
- 深夜に聞こえる呻き声
である。以下に、これらの心霊現象の詳細を恐怖とともに記述する。
地蔵峠では、繰り返し目撃されている霊がいる。
それは、全身ずぶ濡れの男性の霊であり、事故現場の近くに立ち尽くしているという。
白いシャツに血がにじみ、目だけが異様に光っていたという証言が複数存在している。
また、バイクで走行中、急にハンドルを取られ、ブレーキが効かなくなるという報告が後を絶たない。事故直前に後部座席に「何か」の重みを感じた者もいる。
それが、過去にこの峠で命を落とした霊であるとの噂が絶えない。
峠道の途中にひっそりと置かれた花束。そこに立ち止まると、背後から足音が近づいてくるという。
振り返っても誰もおらず、冷たい風だけが頬を撫でる。
峠の闇に溶け込むように、悲しげな呻き声が響く夜もあるという。
地蔵峠(岡垣町)の心霊体験談
ある地元の若者は、深夜に友人と地蔵峠をバイクで通りかかった。
その途中、後ろに乗っていた友人が突然絶叫し、バイクから転落した。彼は「後ろから誰かが抱きついてきた」と語り、怯えきっていたという。
転落した場所のすぐ近くには、数日前に事故で亡くなった人物のために供えられた花束があった。
また別の女性は、昼間であったにもかかわらず、花束の前で足を止めた瞬間、体が動かなくなり、意識が遠のいたという。
気づいたときには、地蔵尊の前で倒れており、近くの僧侶に助けられた。
女性は「誰かが私を引きずった」と語った。
地蔵峠(岡垣町)の心霊考察
地蔵峠における心霊現象の根底には、地蔵尊の建立に至るまでの凄惨な歴史が横たわっている。
菊姫をはじめとした山田事件の犠牲者たちの怨念が、未だにこの地に刻み込まれている可能性は高い。
さらに、度重なるバイク事故によって、新たな魂がこの峠に縛られているとも考えられる。
彼らの無念が時として現世に現れ、同じ運命を他者にもたらそうとしているのかもしれない。
峠の名に「地蔵」とあるが、その地蔵が本当に全ての魂を救っているのかどうかは定かではない。
むしろ、供養しきれなかった怨霊たちが、未練と怒りを抱えたまま、この峠に留まり続けているのではないか。
そう考えると、静かなこの峠道も、決して気軽に足を踏み入れてはならない場所であることが分かる。
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