山中でひっそりと姿を消した廃キャンプ場にまつわる、薄気味悪いウワサが今なお語り継がれている。自殺者の霊、車内に現れる気配、夜の林道に潜む“何か”……。今回は、大山林道の廃キャンプ場にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大山林道の廃キャンプ場とは?

鳥取県・大山の登山道の一つ「大山林道」の奥深く――現在では「メタセコイアの森」と呼ばれるエリアの近くに、かつて静かに営業していたキャンプ場が存在していた。
場所は「関の山正面登山口」近くにある旧いこいの森キャンプ場ではなく、それよりもさらに以前に閉鎖された、忘れ去られたキャンプ場である。
このキャンプ場には、かつて広場を中心にいくつものログハウスが立ち並び、キャンプファイヤー場やトイレなどの設備も整っていたという。
しかし、ある一件を境に、その姿は一変する。
廃トイレでの首吊り自殺――この凄惨な事件を皮切りに、自殺志願者が次々とこの地を訪れ、やがてキャンプ場は閉鎖された。
今では廃墟と化したトイレがわずかに過去の名残をとどめており、訪れた者を不気味な沈黙で迎えるのみである。
大山林道の廃キャンプ場の心霊現象
大山林道の廃キャンプ場の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 廃トイレ付近で自殺者の霊が出没する
- 夜の林道で後部座席に“誰か”が現れる感覚に襲われる
- 背後から視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず語られるのは、白い服をまとった“女性の霊”の存在である。
林道を走行中、ふとバックミラーを見た瞬間、後部座席に誰かが座っているように見えたという報告は後を絶たない。
次に見直したときには何もいない……しかし車内に残るのは異様なほど冷たい空気と、背筋を撫でるような視線の感覚のみだという。
霊の目撃談が特に多いのは、今も残る廃トイレの周辺である。
この場所では過去に首吊り自殺があり、それを機に自殺志望者が次々と集まったとされている。
実際、廃トイレの入口付近では“人影がのぞく”といった報告が相次ぎ、深夜に響く水の流れるような音や、誰かが泣いているような声が聞こえることもあるという。
また、大山林道を夜間に走ると、突然背中に冷たい視線を感じたり、車内に“誰かがいる”という錯覚に囚われる者も多い。
単なる錯覚では説明のつかない、異常な体験が数多く報告されているのだ。
大山林道の廃キャンプ場の心霊体験談
当時このキャンプ場の近くに住んでいたという男性による証言がある。
今から約25年前、中学・高校時代の友人たちと20人以上でこのキャンプ場に宿泊したことがあったという。
オープン直後は綺麗で過ごしやすい場所だったが、キャンプファイヤー場の近くにある“ドーム型トイレ”で首吊り自殺が起きたという話が、後日友人から語られた。
その事件以降、利用者は急激に減少し、まもなくキャンプ場は閉鎖された。
閉鎖後、バンガローなどの建物はすぐに撤去されたが、自殺の噂は地元で広く知れ渡っていた。
なお、体験者自身は霊を見たことはなかったと語るが、「場所自体が非常に暗く重たい雰囲気だった」と当時の印象を述懐している。
大山林道の廃キャンプ場の心霊考察
大山林道の廃キャンプ場に現れるとされる霊現象は、自殺という突発的かつ強い負の感情によって発生した“残留思念”が根を張っていると考えられる。
とくに廃トイレという閉鎖された空間は、自殺者の最期の想念が染みつきやすく、霊が“出入り口を失ったまま”そこに留まり続けている可能性がある。
訪れる者が感じる視線や気配は、決して気のせいなどではないのかもしれない。
また、大山林道を走行中の霊感的現象――後部座席に感じる“気配”――は、何らかの形でその地に囚われた魂が、車に乗ることで“外に出ようとしている”と解釈することもできる。
山中に封じられたままの怨念が、今も静かに、しかし確実に人の気配を求めて彷徨っているのかもしれない。
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