福岡県春日市にひっそりと佇む御陵古墳には、水辺に沈む古墳群ならではの不気味な静けさと、発掘されることのない闇が広がっている。地元では古くから火の玉の出現や不可解な事故、見えざる存在の気配など、数々の心霊現象が語られてきた。今回は、御陵古墳にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
御陵古墳とは?

御陵古墳は、福岡県春日市に点在する古墳群のひとつであり、特に「水郷古墳」として知られている。
水辺に囲まれており、通常のアクセスが非常に困難な立地となっている。
古墳へ至るには回り道を要し、正面からの接近はほぼ不可能である。
その姿は、まるで外界との接触を拒むかのように、静かに、そして不気味に水中に沈んでいる。
この古墳群は、御陵中学校建設に先立ち昭和56年と57年に調査され、北丘陵からは8基、南丘陵からは6基の古墳と1基の木棺墓が発見された。
時代は古墳時代の前期(4世紀頃)から後期(6世紀中頃〜7世紀前半)にまたがり、その埋葬者は高貴な人物であると推測されている。
しかし、この古墳群の中でも特に水中に沈んだ主墳については、いまだ発掘調査が行われておらず、内部は一切の謎に包まれている。
古代の財宝が眠るという噂も存在するが、今となっては全てが水底に消えたかもしれない。
御陵古墳の心霊現象
御陵古墳の心霊現象は、
- 火の玉の出現
- 深夜に響くクラクションの音
- 見えない存在に背後から見つめられる感覚
- 墓地周辺での不可解な事故の多発
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、火の玉の目撃は、古墳を囲む水辺にて多数報告されている。
特に湿度の高い夏の夜、古墳を目指して迷い込んだ者が、青白くゆらめく光を見たと証言している。
それは一つではなく、複数が水面に浮かんだり沈んだりを繰り返し、まるで古の魂が彷徨っているかのような様相を呈していたという。
次に、前を通る道路では、深夜にも関わらずクラクションの音が断続的に鳴り響くという報告がある。
その数は一晩で十数回にも及び、通行人がいないことを確認していたにも関わらずである。
まるで、そこに見えない“何か”が道を横切っているかのようである。
また、古墳近辺での“視線”の体感も多く聞かれる。
背後から何かにじっと見られているという感覚に襲われるが、振り返っても誰もいない。
それでも、首筋に感じる生ぬるい気配は消えることがなく、その場を離れても数時間は背後が気になって仕方がないという。
最後に、交通事故の多発である。前述の通り、古墳周辺の道路は斜めに傾き、極めて狭い構造となっている。
事故の多さは設計のせいとも言われているが、原因が明確でない不自然な単独事故も多発しており、何者かが引き寄せているような印象すら与える。
御陵古墳の心霊体験談
ある夜、御陵古墳の裏手から古墳へ接近しようとした男性がいた。
彼は堀の水面に青白い光を見つけ、カメラを構えた瞬間、突如として視界が白く光に包まれ、強烈な耳鳴りに襲われたという。
慌ててその場を離れたが、帰宅後も耳鳴りは止まず、鏡を見ると、肩に無数の手形のような赤い痕がついていたという。
御陵古墳の心霊考察
御陵古墳の心霊現象は、単なる言い伝えや風評では説明がつかないほど具体的かつ一致している。
火の玉の出現や交通事故の多発、視線の感覚などは、いずれも“何かがそこにいる”という確かな気配を示している。
古墳という場所が、古代において権力者の終焉を象徴する場であったことを考えると、そこに眠る者の魂が現世に未練を残している可能性は高い。
特に御陵古墳は、いまだ内部が解明されておらず、歴史の闇に閉ざされたままである。
そうした「解かれざる封印」が、現代にまで呪縛を及ぼしていると考えることは決して非現実ではない。
ましてや、水辺という霊的に“結界”が生まれやすい環境、未発掘の状態、不自然な道路設計といった条件が重なることで、御陵古墳は現代における“禁足地”とも言うべき異空間となっているのかもしれない。
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