福岡県宮若市に存在した、かつてのレジャー施設「力丸花ホテル」。その跡地には、いまもなお不穏な噂が漂っている。今回は、力丸花ホテルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
力丸花ホテルとは?

力丸花ホテルは、福岡県宮若市、力丸ダムの湖畔に建てられたホテルである。
1965年に竣工した県営力丸ダムの完成を受け、翌年の1966年に開業。
和洋のレストランを備え、自然に囲まれた観光拠点として多くの客を迎え入れていた。
隣接する力丸十二支苑は、薬師如来を祀る寺院や二重仏塔を備えた庭園型施設であった。
さらにアイススケート場「力丸スケート場」も併設され、冬季のアクティビティとして人気を博していた。
だが、1990年代後半から順次閉業し、2000年代初頭には完全に営業を終了。
2005年頃には廃墟と化し、現在は一部が解体され、敷地の多くはリサイクル業者により管理されている。
力丸花ホテルの心霊現象
力丸花ホテルの心霊現象は、
- 部屋の窓から外をじっと見つめる“女の霊”の目撃談
- 駐車場で聞こえる“女の笑い声”
- 力丸十二支苑・仏塔の地下に漂う不気味な気配
- 水子供養の部屋で感じる“視線”や“気配”
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのが、ホテルの客室窓に現れる女の霊である。
廃墟となった今も、建物がまだ現存していた頃、「誰もいないはずの部屋の窓から女がじっと外を見つめていた」と証言する者がいた。
その視線はあまりにも生々しく、まるで訪問者を待っているかのようだったという。
また、ホテルの駐車場では、夜になると女の笑い声が響くという。
実際にその場に足を踏み入れた者が「背後からくぐもった笑い声が聞こえた」と語っている。
周囲には人影はなく、ただ重く湿った空気が漂うばかりだった。
さらに、ホテルに併設された力丸十二支苑の仏塔地下も、異様な雰囲気に満ちている。
そこには「胎内めぐり」が可能な構造が存在し、狭く薄暗い通路を進むと出口付近に水子供養の特別室がある。
この空間では「誰もいないのに足音がついてくる」「背後に誰かが立っているような感覚に襲われる」などの現象が報告されている。
現在はその大部分が解体またはリサイクル場に転用されているが、かつての名残は今も敷地に影を落としている。
力丸花ホテルの心霊体験談
かつて訪れたある者は、こう語っている。
「昼間だったのに、あのホテルの上階に誰かがいるのを見た。髪の長い女がじっと湖を見ていたんだ。怖くて目を逸らした。でも気になってもう一度見たら……もう誰もいなかった。」
また別の体験者は、こう証言する。
「駐車場に車を停めていたら、運転席側の窓の外から“ふふっ……”と笑い声が聞こえた。誰かが近づいたのかと外を見たが、そこには誰もいなかった。ただ、その場から離れたいという強い衝動に駆られた。」
こうした証言が、今なお絶えないのがこの場所の異様さを物語っている。
力丸花ホテルの心霊考察
力丸花ホテルの心霊現象の背景には、いくつかの要因が絡み合っていると考えられる。
まず、力丸ダム周辺自体が心霊スポットとして知られているという事実がある。
過去に付近で殺人事件があったという話も存在し、土地そのものが“負の記憶”を抱えている可能性がある。
また、仏塔地下に設けられた胎内めぐりと水子供養の部屋は、霊的な感情や念が集まりやすい構造になっていたとも言われている。
胎内めぐりは本来、死と再生を象徴する宗教的体験であるが、不完全な供養や訪問者の無遠慮な行動が、かえって霊的な不安定さを生み出した可能性もある。
そして、ホテルの客室や駐車場で起こる現象には、「誰かを待つ霊」の存在が色濃く滲んでいる。
窓の女の霊は、もしかするとその場所で亡くなった、あるいは取り残された魂かもしれない。
いずれにせよ、力丸花ホテル跡地が現在も語り継がれる理由は、その場に“何か”が残っているからである。
※なお、当該場所の敷地は現在リサイクル業者が所有しており、許可なく立ち入ることは不法侵入にあたる。現地訪問を検討する際は、法的な手続きと安全を最優先すべきである。
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