福岡県太宰府市にかつて存在した廃病院「白藤神経科」。廃墟となった今もなお、多くの心霊現象が語り継がれている。今回は、白藤神経科にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
白藤神経科とは?

白藤神経科とは、福岡県太宰府市の高台に建てられていた木造平屋建ての病院である。
開院時期は定かではないが、少なくとも1975年にはすでに診療を行っていたことが確認されている。
その後、2000年前後に閉院となり、廃墟と化した。
建物には「神経科」「内科」の表記が残されており、精神的な疾患を扱っていた可能性が高い。
廃院後は朽ちた建物が草木に覆われ、地域では「廃病院S」あるいは「朝香団地の廃病院」と呼ばれ、若者の間で心霊スポットとして知られるようになった。
なお、この地一帯はかつて古戦場であったとされ、病院の建設時には地中から古い人骨が出土したという不穏な逸話も残る。
2020年10月22日、白藤神経科は未明の火災により全焼。
火の気のない廃墟に突如火が放たれたことから、放火の可能性が高いとされている。
火災の後、建物は完全に骨組みだけの状態となり、現在は航空写真でも焼け跡を確認することができる。
白藤神経科の心霊現象
白藤神経科の心霊現象は、
- 誰もいないはずの院内で電話の呼び出し音が鳴る
- 廃墟の診察室に白い影が立ち尽くしている
- 敷地内で獣とは思えぬ形状の「骨」が散乱している
- 外壁に耳を当てると、内部から呻き声のような音が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
誰もいないはずの院内で電話の呼び出し音が鳴る
廃墟内でサバイバルゲームを行っていたグループが体験したとされる現象である。
電気が通っているはずのない病院内で、突如として古い黒電話のような呼び出し音が鳴り響いた。
探索者たちはその音を辿ったが、電話機そのものはどこにも見当たらなかったという。
音は、数十秒で唐突に途絶えた。
廃墟の診察室に白い影が立ち尽くしている
夜間に訪れた者が、病院の診察室と思われる窓の奥に、微かに光を反射する「白い人影」を見たという報告が複数存在する。
ベニヤ板で封鎖された入口から内部に入ることは不可能であるにもかかわらず、その影はじっと外を見つめるように立ち尽くしていたという。
敷地内で獣とは思えぬ形状の「骨」が散乱している
かつて駐車場であったと思われるアスファルトの上に、白く乾いた骨が複数散らばっていた。
中には背骨のような形状のものもあり、大きさ的には猫や犬程度だが、専門家によれば明らかに「自然死した獣のものとは異なる崩れ方」であったという証言もある。
外壁に耳を当てると、内部から呻き声のような音が聞こえる
完全に封鎖され、誰も立ち入れないはずの建物であるが、ある訪問者が外壁に耳を当てたところ、内部から「うぅ……」という低い呻き声のような音が断続的に聞こえてきたという。
風の音とも、動物の鳴き声とも異なるその音は、まるで苦悶に満ちた何者かの声のようだったという。
白藤神経科の心霊体験談
大学生のグループが肝試しで夜の白藤神経科を訪れた際、ひとりが建物の裏手に回ったところ、足元で「ガリッ」と何かを踏んだ音がした。
ライトを向けると、そこには砕けた白骨のようなものが転がっていた。
怖くなって全員で退散したが、帰宅後、その足で異様な湿疹が現れ、しばらくの間、耳元で「帰れ……」という声が繰り返し聞こえたという。
白藤神経科の心霊考察
白藤神経科の心霊現象は、病院という特殊な場所に積もった「死と苦しみの記憶」が、廃墟という形で封印されずに残った結果ではないかと考えられる。
神経科という診療科目の性質上、精神に異常をきたした者たちが多く訪れていたことも想像に難くなく、その場所に蓄積した負の感情が、音・影・骨といった形で現世に滲み出ているとも言える。
また、病院建設時に発見された人骨や、火災による全焼という事件性を含めると、この場所には単なる心霊スポットを超えた「何かの祟り」の存在も囁かれている。
若者たちの興味本位の訪問が続いた末に起きた火災は、もしかすると、この地が持つ「忌まわしさ」の警告であったのかもしれない。
コメント