福岡県博多区にかつて存在した「雑餉隈5号踏切」。多発する人身事故と飛び込み自殺により、“出る”と噂されていたこの場所には、現在もなお奇妙な体験談が語り継がれている。今回は、雑餉隈5号踏切跡地にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
雑餉隈5号踏切跡地とは?

雑餉隈5号踏切は、西鉄天神大牟田線の雑餉隈駅と春日原駅の間に存在していた踏切である。
2024年3月16日、同線の新駅「桜並木駅」の開業と同時に、線路の高架化が完了し、踏切そのものは撤去された。
だが、この場所はかねてより「人が飛び込む踏切」として知られていた。
実際、過去には何件も人身事故が発生しており、地元では“自殺の名所”として、半ばタブー視される場所でもあった。
2021年5月5日午後7時46分、この踏切で再び惨劇が起こる。
男性がうずくまるように線路内に入り、上りの特急列車に撥ねられて死亡した。
運転士は「ブレーキをかけたが間に合わなかった」と証言している。
事故が多発したこの場所には、かねてから“何か”が棲みついているのではないかと囁かれてきた。
雑餉隈5号踏切跡地の心霊現象
雑餉隈5号踏切跡地の心霊現象は、
- 女性の霊が目撃される
- 鏡に女性の霊が映る
- 深夜に“誰か”の視線を感じる
- 自殺者の霊が線路内に佇んでいる
である。以下、これらの怪異について記述する。
もっとも有名な現象は、女性の霊の出現である。
事故現場付近を通ると、ぼんやりとした白い人影がふらりと線路内に現れるという。
人影は線路の上に静止し、車のライトや懐中電灯を向けても、ただ微動だにせず立ち尽くしている。そして、気づけば忽然と姿を消す。
また、別の報告では、深夜の帰宅途中にふと鏡を見たところ、背後に“髪の長い女”が立っていたという証言がある。
女は無表情でこちらをじっと見つめており、慌てて振り返るとそこには誰もいなかったという。
さらにこの場所では、誰もいないはずの深夜に「じっと見られているような感覚」に襲われることがあるという。
空気が異常に重くなり、耳鳴りのような低音とともに、肌をなぞるような気配が背後から迫るのだ。
そして極めつけは、自殺者の霊の目撃談である。
線路脇にうずくまるような姿の影が見えるという報告は後を絶たず、近づくとその影は立ち上がり、次の瞬間、列車に向かって身を投げ出すかのように消えるという。
雑餉隈5号踏切跡地の心霊体験談
地元の20代男性が体験した話である。
「夜10時過ぎ、近道しようと踏切跡を通ったんです。もう踏切自体はなくなっていて、アスファルトが敷かれたばかりのようでした。ふと足を止めてスマホを取り出し、画面をつけたんです。すると、画面に女性の顔が映ったんです。長い髪で、目だけが真っ黒で、笑っていました。慌てて後ろを振り返っても、誰もいませんでした……」
それ以降、彼はその道を二度と通っていないという。
雑餉隈5号踏切跡地の心霊考察
この踏切は、構造上見通しが悪く、過去に繰り返し人身事故が起こっていた。
だが単なる事故多発地点にしては、あまりにも多くの怪異が報告されている。
特に「鏡に映る霊」「視線を感じる」といった現象は、残留思念や場所に染みついた怨念の影響と考えられる。
命を絶った者の執念が、時空の隙間を通して、今なお人々の意識に干渉しているのかもしれない。
現在は高架化により踏切自体は存在しない。
しかし、消えたはずの場所に、未だ“何か”が残っているとしたら──。
人の手で物理的に消せるのは、構造物だけなのかもしれない。
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