かつて有明海を望むリゾートホテルとして賑わいを見せた「亀崎海上ホテル」。現在は廃墟となり、地元では霊の目撃や呪いの噂が囁かれる心霊スポットとして知られている。今回は、亀崎海上ホテルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
亀崎海上ホテルとは?

「亀崎海上ホテル」は、佐賀県藤津郡太良町の海岸線に建てられたかつての観光ホテルである。
開業時期は1963年から1975年頃とされ、海に面した立地と、クルージングプランや300人収容の宴会場を備えた施設構成により、かつては釣り客や観光客で賑わっていたという。
しかし、1990年頃には廃業し、以降は時の流れに任せて朽ちていった。
風雨にさらされた建物は急速に風化が進み、壁の崩落、ガラスの破損が目立ち始めた。
2014年には建物内部までが潮風にさらされ、2024年時点でもなおその残骸は海岸に残されている。
なお、私有地であるため無断での立ち入りは厳禁である。
また、老朽化により構造の崩壊やアスベストの飛散が危惧されており、近づくこと自体が危険である。
亀崎海上ホテルの心霊現象
亀崎海上ホテルの心霊現象は、
- 老婆の霊の目撃談がある
- 女性の霊の目撃談がある
- 正体の分からない霊が現れる
- 老婆が自殺した部屋に入ると呪われるというウワサがある
である。以下に、これらの怪異について詳述する。
このホテルで語られる心霊現象の中でも、とりわけ不気味さを醸しているのが「老婆の霊」の存在である。
地元の噂によれば、ホテルが廃業して以降も、元オーナーの老婆が2013年頃まで一人でこのホテルに住み続けていたという。
やがて彼女の消息は途絶え、「施設に入った」「自然死した」といった話もあるが、一部では「ホテルの一室で首を吊って亡くなった」という噂がささやかれている。
そして、その“老婆が亡くなった部屋”に入った者は呪われると語られているが、肝心の号室は誰も知らない。
さらに、霊の目撃証言が相次いでいる。
中には老婆とは明らかに異なる姿――白い服を着た女性の姿を見たという報告もある。
霧のようにふわりと現れ、視線を向けると消えていたという証言もある。
そして最も不気味なのは、まったく正体の掴めない「何か」が出るという話である。
足音だけが響いたり、背後に視線を感じたという声もあり、霊というより“気配そのもの”がこの廃墟に染みついているかのようだ。
亀崎海上ホテルの心霊体験談
20年ほど前のある夜、5人の若者がホテル裏の海岸に釣りに訪れた。
そこに行くには、必ずホテルの正面玄関前を通らねばならなかった。
その時、2人の若者が玄関に向かって「こんばんは」と挨拶をした。
不思議に思った残りの3人が「誰に言ったのか」と問いただすと、2人は「玄関にお婆さんが立っていた」と答えた。
しかし、他の3人には誰の姿も見えなかった。
2人にとっては明らかに“生身の人間”に見えたその老婆は、誰だったのか――そもそも、その建物はとっくに廃墟となっており、住んでいる人間などいないはずだった。
あまりの不気味さに、その場からすぐに離れたという。
この体験を語った本人は、「本当にこんなことがあるんだな」と静かに語っていた。
亀崎海上ホテルの心霊考察
このホテルには、目撃談・噂・不気味な気配など、複数の要素が絡み合って心霊話が形成されている。
老婆の霊とされる存在は、元オーナーとされる人物の影なのか、あるいは別の過去を背負った存在なのかは分からない。
だが、誰かが“そこに居る”という感覚だけは、幾人もの証言で裏付けられている。
また、「自殺した部屋に入ると呪われる」という話は、日本各地の心霊スポットにありがちな構図ではあるが、それが“ありがち”で終わらないのは、実際に霊を見たという体験談が複数存在するからに他ならない。
建物そのものも、風雨にさらされ崩壊寸前という不穏な姿を晒し続けており、人が近づくには十分すぎるほどの“拒絶”を放っている。
物理的な危険性と霊的な気配、その両面から見て、亀崎海上ホテルは確かに“人を寄せつけない場所”として存在しているのかもしれない。
コメント