佐賀県上峰町にある船石宮天神社。その境内には古代の遺構が静かに眠っている。しかし、ここにはある奇妙な石が存在し、長年「呪われた石」として語り継がれてきたという。今回は、鼻血石(船石宮天神社)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
鼻血石(船石宮天神社)とは?
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鼻血石とは、船石宮天神社の境内に存在する巨大な石の通称である。
この神社は、縄文時代から中世にかけての複合遺跡「船石遺跡」の中心に位置し、周囲には「船石」や「亀石」といった支石墓も残されている。
昭和57年に発掘調査が行われ、「船石」や「亀石」は弥生時代中期の墓制の一種「支石墓」と判明し、「鼻血石」は古墳の石室天井石であることが明らかとなった。
鼻血石は5世紀後半に築かれた古墳の一部であり、土師器や鉄剣などの副葬品も出土している。
現在ではそれらの遺物は県の重要文化財に指定されている。
しかし、不思議なことに、この石には考古学的価値以上に、恐ろしい異名が付きまとっている。
鼻血石(船石宮天神社)の心霊現象
鼻血石(船石宮天神社)の心霊現象は、
- 正体不明の霊が現れる
- 鼻血石に近づくだけで鼻血が出る
- 境内で耳鳴りや頭痛を訴える者が続出
- 子供の声のようなものが深夜に響く
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名な現象は、鼻血が突然出るというものだ。
鼻血石と呼ばれる巨石に近づくだけで、原因不明の鼻血が出るという報告が相次いでいる。
石に直接触れたり、上に乗ると症状が強くなるとされる。
特に子供に多く、鼻血を流してその場に倒れ込んだという話すらある。
実際、テレビ番組『不思議どっとてれび これマジ!?』でもこの現象が取り上げられた。
スタッフが数時間にわたって石の上に滞在したが、番組内では鼻血の発症は確認されなかった。
しかしその後、現地住民が鼻血を流して倒れているのを見かけたという未確認情報がネット上に投稿され、再び注目を集めた。
また、境内に現れる正体不明の霊も問題である。
ある者は、夕暮れ時に白い着物を着た女性のような影が石のそばに佇んでいたと証言している。
その姿は誰にも認識されず、ふと目を離した隙に消えていたという。
耳鳴りや頭痛もこの場所特有の現象として知られている。
鼻血石の近くでは、耳がキーンと鳴り始め、次第に頭が重くなるといった体調不良を訴える者が多い。
医療機関では原因不明とされ、精神的なものでは済まされないという声もある。
さらに、夜になると子供の笑い声や足音が聞こえるという報告もある。
神社周辺には子供の遊ぶような場所はなく、しかもその声は境内から響くという。
かつてこの石に登った子供たちの魂が、何かを訴えているのかもしれない。
鼻血石(船石宮天神社)の心霊体験談
ある中年男性が語る体験談が印象的である。
彼は幼少期、この神社でよく遊んでいたという。
ある日、友人たちと鼻血石に登った直後、理由もなく鼻から大量の出血が起こった。
すぐに病院に運ばれたが、異常は見つからなかったという。
彼は語る。「あの石は何かがいる。遊びで登ってはいけなかった」と。
そして、その日以来、彼はこの神社を訪れることはなくなったという。
鼻血石(船石宮天神社)の心霊考察
鼻血石の心霊現象には、科学的に説明できないものが多く存在する。
だが、考古学的観点から見れば、この石が古墳の天井石であることが判明している。
つまり、元は亡者を葬った場所であり、そうした霊的な力が石に宿っていても不思議ではない。
不思議なのは、「鼻血が出る石」として人々に恐れられていたのが、古墳と判明するよりもずっと前からであったという点である。
誰が教えたわけでもなく、自然と畏怖の念がこの石に宿ったのだ。
見た目から名づけられた「船石」や「亀石」に対し、「鼻血石」だけは異質である。人々が見た目でなく体験から名付けた石。
この事実こそが、鼻血石の呪われた力を裏付ける最大の証拠である。
この神社には静かな空気が漂っている。
しかしその静けさの中に、決して近づいてはならない「何か」が潜んでいるようにも感じられる。鼻血石──それはただの石ではない。
亡者の声を封じ込めた、生ける遺物なのかもしれない。
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