不老洞(須佐トンネル)のウワサの心霊話

長崎県佐世保市にある不老洞(須佐トンネル)には、戦争の悲劇とともに数々の不可解な心霊現象が語り継がれている。地元では「兵隊の霊が出る」「煙に包まれる」といった噂が絶えず、今なお人々を近づけがたい雰囲気で包んでいる。今回は、不老洞(須佐トンネル)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


不老洞(須佐トンネル)とは?

不老洞(須佐トンネル)の外観

不老洞とは、佐世保市高梨町の須佐神社近くにある全長30メートルほどの煉瓦造りの古いトンネルである。

大正15年(1926年)に竣工され、元々は山手の子どもたちが遊郭街を通らずに通学できるよう設計されたものであった。

このトンネルの扁額には「不老洞」と刻まれているが、「老」の字には異体字が用いられており、それが原因でネット上では「不差洞」などと誤記されることもある。

だが、正しい名称はあくまで「不老洞」である。

このトンネルには、1945年6月28日深夜から29日未明にかけて米軍が行った佐世保大空襲にまつわる悲劇が刻まれている。

ある説では、多くの市民が爆撃から逃れるためこのトンネルに避難したが、煙に巻かれて命を落としたとされる。

また、長崎新聞の記事によれば、ここは一時的に遺体の安置所としても使われたと記されている。

いずれの説にせよ、このトンネルが数多の死と直結している場所であることに違いはない。


不老洞(須佐トンネル)の心霊現象

不老洞の心霊現象は、

  • トンネルの入り口に兵士の霊が立っている
  • 通り抜けると、背後から人の気配を感じる
  • 突然、煙のようなものに包まれる
  • 深夜、トンネルから嗚咽のような声が聞こえる

である。以下、これらの怪異について記述する。

このトンネルの最も有名な心霊現象は、「兵隊の霊が立っている」というものである。

夕暮れ時や夜間、トンネルの出入り口に軍服姿の男性が無言で立っている姿が目撃されている。

この霊は話しかけても応答せず、気づくと忽然と姿を消してしまうという。

また、トンネルを通り抜ける際に、背後から誰かが付いてくるような足音や人の気配を感じるという報告がある。

だが、振り向いても誰もいない。

空気が急に冷たくなり、背筋を這うような寒気に襲われることもあるという。

さらに、通行中に突如として白くかすんだ煙のようなものが立ち込め、呼吸が苦しくなるという報告もある。

これは、空襲で亡くなった人々が煙に巻かれた出来事と深い関連があるのではないかと囁かれている。

深夜には、トンネルの奥から嗚咽やすすり泣きのような声が聞こえることもあるという。

人の声のようでいて、どこかこの世のものではない、不気味で重苦しい響きが特徴である。


不老洞(須佐トンネル)の心霊体験談

83歳の元教諭・江島麗介氏は、13歳だった当時、空襲翌朝にこのトンネルを訪れた。

そこで目にしたのは、壁沿いに折り重なる無数の遺体であった。

どの遺体も焼けた形跡はなく、恐らく煙に巻かれて命を落としたのだろうという。

彼は語る。「あの光景が今も目に焼き付いている。

それ以来、トンネルに近づくことができない」と。

長年教師として働いた彼は、晩年になってようやく口を開き始めたという。

この体験談は、心霊という非科学的な話を超えて、現実に起きた惨劇の記憶として重く心に響く。


不老洞(須佐トンネル)の心霊考察

不老洞に現れる兵士の霊や異常現象は、佐世保大空襲によって命を落とした者たちの未浄化の念が引き起こしている可能性が高い。

戦時下、何の罪もない市民たちが逃げ込んだ末に命を奪われたこの場所には、深い悲しみと無念が染みついている。

「死体の山」「煙に巻かれて絶命した者」「目隠しされたトンネルの入口」……そうした記憶の堆積が、今なおこの場所に霊的な残響を響かせているのであろう。

一見ただの古いトンネルに見える不老洞。

しかし、そこには時を超えて残る“叫び”が確かに存在している。

夜の闇が濃くなる頃、トンネルの前に立ったとき、あなたの耳にも聞こえてくるかもしれない──忘れ去られた声なき声が。


不老洞(須佐トンネル)の地図

本記事は、「心霊現象の考察」シリーズの思想を踏まえて執筆している。
幽霊の存在を断定するのではなく、人間の認識や記憶、土地や出来事がどのように「心霊」という物語として語られてきたのか、という視点から整理を行っている。

なお、本サイト内には執筆時期の異なる記事が混在しており、すべての記事が同一の考察軸で統一されているわけではない。
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