比治山陸軍墓地のウワサの心霊話

比治山陸軍墓地は、広島市中心部に近い比治山の中腹に位置する旧陸軍墓地である。この地には、西南戦争から第二次世界大戦までに散った兵士たちや、自ら命を絶った者の霊が今も彷徨っていると噂される。今回は、比治山陸軍墓地にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


比治山陸軍墓地とは?

比治山陸軍墓地の外観

比治山陸軍墓地は、広島県広島市南区比治山公園内に存在する旧陸軍の墓地である。

1872年(明治5年)、広島鎮台設置に合わせてこの地に陸軍墓地が整備され、以後、西南戦争から第二次世界大戦に至るまで、およそ4,500柱の兵士たちが葬られた。

約3,500基の墓石が整然と並び、その中には日本兵のみならず、中国、ドイツ、フランスの兵士の墓も含まれている。

戦後の混乱で墓石や遺骨は流失したものの、1960年(昭和35年)に現在の地に再建された。

今もなお、墓石群の奥には、戦場で散った兵士たちの無念が静かに眠っている。

この場所は花見の名所、美術館や図書館も近いが、夜半にはまるで空気が変わる。

23時以降は入山が禁止されており、警察の派出所が麓に控えていることからも、容易に立ち入るべき場所ではないことを示している。


比治山陸軍墓地の心霊現象

比治山陸軍墓地の心霊現象は、

  • 夜になると、墓地内を行進する兵士たちの足音が聞こえる
  • 顔が焼けただれた兵士の霊が立ち尽くしている
  • 森林部で首を吊った自殺者の霊が木々の間からこちらを覗いている
  • 墓地を歩くと突然背後から誰かにつかまれたような寒気を感じる

である。以下、これらの怪異について記述する。

比治山の墓地を訪れた者は口を揃えて語る。

夜になると、誰もいないはずの墓石群の間を、重く規則正しい軍靴の音が響き渡る。

数人が一様に行進しているかのようなその足音は、止まることなく一定の間隔で近づいてきては、ふと消える。

また、顔の皮膚が焼けただれ、黒く爛れた兵士の霊が道端に立っていたという目撃談も後を絶たない。

目が合うと途端に視界がぼやけ、足が動かなくなるとも言われている。

比治山の森林部では、首を吊った自殺者の霊が枝の隙間からじっとこちらを見つめていたとの報告もある。

幽霊というにはあまりにも生々しい顔色で、通り過ぎた後も背中に視線のようなものがまとわりつき、振り返るとそこには誰もいない。

墓地内を歩く際、唐突に背後から冷たい手で肩を掴まれたような感覚に襲われたという話もある。

その後熱を出して寝込んだ者も少なくない。


比治山陸軍墓地の心霊体験談

ある若者二人組が、深夜の肝試しで比治山陸軍墓地を訪れた。

夜風が墓石を擦り抜ける音だけが響く中、二人は冗談を言い合いながら奥へ進んでいった。

すると突然、足元から「ザッ、ザッ」と砂利を踏みしめる音が背後で鳴り出した。振り返っても、そこには闇に沈んだ墓石が並ぶばかりで、人影はない。

気味悪さに早々に引き返そうとしたその時、もう一人が小さく悲鳴を上げた。

彼の肩越しに見えたのは、崩れた軍帽を被り、顔が黒くただれた兵士の霊が、こちらに向かって手を伸ばしてくる姿だったという。

二人は恐怖で足がもつれながらも必死に墓地を離れ、その夜は一睡もできなかったそうだ。


比治山陸軍墓地の心霊考察

比治山陸軍墓地は、単なる古い墓地というだけではない。

そこには戦争という極限の恐怖と死が折り重なり、未だ昇華しきれない無念が残留しているように思える。

また、この地には兵士の霊だけでなく、自ら命を絶った者の怨念も棲みついていると言われる。

互いに呼び寄せ合うかのように、複数の霊が比治山に集まり、夜毎そこに異様な空気を作り出しているのではないだろうか。

安易な興味や面白半分で足を踏み入れれば、その目には見えない何かが、容赦なく取り憑くかもしれない。

この場所を訪れるならば、決して軽い気持ちで足を踏み入れてはならない。

墓石の並ぶ静寂の裏に、数多の無念と苦悶が潜んでいることを忘れてはならないのである。


比治山陸軍墓地の地図

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【管理人】狐憑きのたる

狐憑きのたる

全国のウワサの心霊スポットを調査し、その魅力と恐怖を皆さんにお届けしています。