長寿の森(旧名:念仏の森)は、広島県東広島市にひっそりと佇む自然公園である。しかしこの場所には、かつて自殺や心中が相次ぎ、戦国の落城の怨念が刻まれた数々の逸話が残されている。今回は、長寿の森(念仏の森)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
長寿の森(念仏の森)とは?
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長寿の森は、広島県東広島市八本松町吉川に位置する自然公園である。
かつてこの場所は「念仏の森」と呼ばれ、人々から忌み嫌われる場所であった。
森の奥には豊穣池という名の池があり、付近には槌山(つちやま)がそびえ、その山頂には戦国期に落城した槌山城跡が今なお静かに残っている。
この森は地元の小学校の遠足やキャンプ地としても知られ、春には桜が咲き誇り、訪れる者に一見穏やかな印象を与える。
しかし、その裏には血と涙で彩られた数々の悲劇が刻まれており、現在もなお奇怪な噂が絶えない場所である。
長寿の森(念仏の森)の心霊現象
長寿の森(念仏の森)の心霊現象は、
- 豊穣池の水面に無数の人魂が浮かび上がる
- 池のほとりで髪の長い女の霊が立ち尽くしている
- 夜になると、森の奥から念仏のような声が響き渡る
- 県道335号沿いのため池付近で、病に苦しんで無理心中した家族の霊が目撃される
である。以下、これらの怪異について記述する。
豊穣池の人魂
豊穣池は念仏の森の中心にある大きな池である。
かつてこの池では入水自殺が頻発しており、夜になると水面を漂う青白い光が幾つも現れるという。
これを地元の人々は人魂だと語るが、中には池の底から無数の白い手が伸びて自分を引きずり込もうとする幻覚に襲われた者もいる。
女の霊
森の中で最も恐ろしいのは、髪を長く垂らした女の霊の目撃談である。
深夜、豊穣池のほとりに白い服を着た女が立ち尽くしており、目が合うと無言のまま池へと消えていくという。
ある者は、その女が自ら水に身を投げる瞬間を見たと証言している。
念仏の声
夜の森を歩くと、どこからともなく低い声で念仏を唱えるような音が聞こえてくることがある。
この声は誰もいないはずの場所から響き渡り、追いかけると必ず森の奥深くへ誘われるという。
そして気づけば元の場所に戻れなくなり、翌朝、憔悴しきった姿で発見される事例もあった。
ため池の一家心中
念仏の森の入口から県道335号を少し下ると、大きなため池が現れる。
昔、この池では病苦に悩んだ一家が無理心中を遂げたとされ、その怨念が今も池の周囲に漂う。
夜、車でこの道を走ると、突然後部座席に誰かが座り込む感覚に襲われたドライバーが少なくない。
長寿の森(念仏の森)の心霊体験談
地元の男性が語った話である。
ある晩、豊穣池の周りを散歩していたところ、池の中央付近にぼんやりと光るものを見つけた。
初めは蛍かと思ったが、次第にその光は人の顔ほどの大きさになり、血走った目がこちらをじっと見つめていたという。
驚き立ち去ろうとした瞬間、背後から冷たい手で肩を掴まれ、振り向くと誰もいなかった。
家に戻った後も肩には赤黒い手形が残っており、しばらくの間、高熱と悪夢に苦しめられたそうだ。
長寿の森(念仏の森)の心霊考察
この地に渦巻く怨念の根源は、やはり念仏の森と呼ばれていた往時の暗い歴史にあると考えられる。
豊穣池での相次ぐ入水自殺、ため池での一家心中、さらには戦国時代に落城した槌山城の無念の死者たち。
これらが重なり合い、場所そのものに負の気配を宿らせてしまったのではないだろうか。
また、念仏の声が聞こえるという現象は、供養しきれなかった亡者たちが今なお彷徨い、自ら念仏を唱えて成仏を願っているかのようである。
長寿の森という名に改められた現在もなお、その場所を訪れる者の心に薄気味悪い影を落とし続けている。
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