東広島市にある自然豊かな鏡山公園。四季折々の美しさで知られるこの場所には、かつての戦によって命を落とした者たちの無念が今もさまよっているという。今回は、鏡山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
鏡山公園とは?

鏡山公園は、広島県東広島市西条町に位置する自然公園である。
国史跡にも指定されている鏡山城跡のふもとに整備され、市民の憩いの場として親しまれている。
広大な敷地内には池、丘、芝生広場、大型遊具、遊歩道などが点在し、春には約30種類・500本以上の桜が咲き誇る花見の名所としても知られる。
また、公園には世界最小級のトンボ「ハッチョウトンボ」が生息しており、自然観察にも適している。
交通アクセスも良好で、広島大学や西条駅から近く、駐車場も完備されている。
一見、家族連れで賑わう平和な景観であるが、この地はかつて戦火に包まれ、数多くの命が失われた歴史を持つ。
応仁の乱の余波により戦が繰り返された鏡山城。
その影は、今もなお、静かに公園の奥深くに潜んでいるという。
鏡山公園の心霊現象
鏡山公園の心霊現象は、
- 男性の霊が出現する
- 男性の呻き声が聞こえる
- 慰霊碑や井戸、城跡周辺で強い霊的な気配がする
- 無人のブランコが勝手に揺れ出す
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず特筆すべきは、城跡までのハイキングコースである。
登山道の途中に古びた井戸があり、ここを通ると突如として空気が重くなる。
日中であっても薄暗く、井戸を覗き込んだ者の中には「視線を感じた」「背後に人影があった」という証言が相次いでいる。
古戦場跡にしては不自然なほどの寒気が全身を包むという。
さらに山頂の鏡山城跡付近では、夜になるとどこからともなく男性の呻き声が響くとされている。
「うぅ……」という苦悶の声が、風に乗って森の中から聞こえてくるというのである。
その声はただの空耳とは言い難く、実際に複数人で訪れた者たちが同時に聞いていることから、何かがそこに存在していると考えられている。
また、公園内の神社近くに建てられた慰霊碑は、霊的に最も危険なスポットと噂されている。
碑の前に立つと、圧迫感に似た強烈な違和感を覚える者が多いという。
碑の周囲では、写真に白いもやが写り込んだり、手がかりのない声が録音された例も報告されている。
そしてもう一つ、目撃情報として多いのが「無人のブランコが勝手に揺れる」という現象である。
風もなく、周囲に誰もいない状況で、まるで誰かがそこに腰かけているかのようにギイギイと音を立てて揺れ続ける様子が目撃されている。
中には、ブランコが突然止まり、その瞬間に背後から視線を感じたという証言もある。
鏡山公園の心霊体験談
ある親子連れが訪れた日のこと。最初は子どもも笑顔で元気に遊び、山道を楽しく登っていたという。
しかし途中で、子どもが突然「怖い」と言い出し、手をぎゅっと握り返してきた。
そして「帰りたい」と怯えた声で告げたため、親子はすぐに山を下りたという。
その後、気になって鏡山公園を調べてみると、このような心霊のウワサが数多くあることを知った。
あの日、子どもが感じた“何か”は、きっと人の目には映らない存在だったのだろう。
鏡山公園の心霊考察
鏡山公園は、現在では自然と調和した平和なレジャースポットとして親しまれているが、その土台には血と苦しみの記憶が眠っている。
かつて命を落とした武士たちの怨念、無念の声が地に染みつき、成仏できぬ霊となって現世に留まり続けている可能性がある。
とりわけ男性の呻き声が聞こえるという現象は、戦場で命を落とした者の苦しみが今もなお響いている証左とも言える。
井戸、慰霊碑、城跡といった場所に共通するのは、いずれも死と関わりの深い“境界”の場であるということだ。
また、子どもや動物のような“感受性の高い存在”が異変を察知しやすいという点も見逃せない。
大人には見えない何かが、この公園には確かに存在している。
鏡山公園は、ただの自然公園ではない。歴史と共に沈む霊たちの声が、今もどこかで静かに囁いている場所なのである。
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