人知れず山中に佇むI権現神社。この神社には地元住民すら知らない謎が多く、誰も近づかない。真夜中に現れる老爺の霊、不気味な声や足音、荒れ果てた社殿に残された奇怪な仏像や天狗の面。封印を思わせるお札の数々──今回は、I権現神社にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
I権現神社とは?

I権現神社は、人里離れた山中にひっそりと佇む、ひどく荒れ果てた神社である。
その存在すら地元住民に知られておらず、誰も近づこうとはしない。
由緒や歴史についての記録も乏しく、同系列の神社の名簿にも記載されていないことから、過去に何らかの事情で奉遷された可能性があるが、その移転先すら不明である。
まるで意図的に人々の記憶から消されたかのような、謎に包まれた神社である。
I権現神社の心霊現象
I権現神社の心霊現象は、
- 真夜中に山中で老爺の霊が徘徊する姿が目撃される
- 誰にも知られていない神社であるにもかかわらず、不気味な声や音が聞こえる
- 木々に包囲され、訪れる者を拒むような異様な雰囲気を放っている
- お札が各所に貼られ、強い霊的封印を感じさせる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、最もよく知られている心霊現象が「老爺の霊」である。
真夜中、変電所鉄塔の保守点検を行っていた作業員たちが、何度も山中を徘徊する老人の姿を目撃している。
だが、この場所は昼間でも足を踏み入れる者の少ない獣道であり、夜に人が通れるような環境ではない。
そのため、この老人が生きた人間ではなく、霊的な存在であるとされている。
また、神社内部では不可解な現象が起こる。
何者かの声が耳元で囁く、誰もいないはずの背後で足音が鳴るなどの異常音が絶えない。
社殿の中には、明王像が台座を離れて床に無造作に置かれている。
仮説として、台座が崩れたことによるものとされているが、その姿はあまりにも異様で、かえって不気味さを助長させている。
さらに、荒れ果てた社殿の壁には天狗の面が掛けられ、その眼差しはまるで訪問者を睨みつけているかのようである。
賽銭箱が内部に残されているが、供え物などは一切なく、ただ静寂と腐敗の気配だけが満ちている。
周囲は密集した木々に覆われ、風の流れすら感じられない。
その静寂は、まるで神社自体が外界との接触を拒んでいるようであり、霊的なバリアが張られているかのような印象を受ける。
木に貼られたお札は、それがただの風習ではなく、何かを封じ込めるためのものであると感じさせる不気味さがある。
I権現神社の心霊体験談
ある登山者が、興味本位でこの神社を訪れた際の体験を語っている。
神社の鳥居をくぐった瞬間から空気が変わり、誰かに見られているような視線を強く感じたという。
社殿に近づくにつれ足が重くなり、耳元で「帰れ」と低く唸るような声が聞こえた。
恐怖に駆られて一度は引き返そうとしたが、背後から何かがついてくる気配に抗えず、逃げるように山を下ったという。
後日、その登山者は原因不明の高熱に数日間うなされ、夢の中で何度も天狗の面に睨まれたというのだ。
I権現神社の心霊考察
I権現神社は、その存在すら知られていないという点で、極めて異質な心霊スポットである。
老爺の霊の出現は、過去にこの地で命を落とした者の怨念や、封印された存在の警告とも解釈できる。
また、お札や天狗の面、崩れた明王像など、霊的要素の多さから、過去に何か重大な宗教的行為や儀式が行われていた可能性がある。
その痕跡が形を変えて残り、現在の心霊現象を引き起こしているのかもしれない。
この神社は、ただの廃れた神社ではなく、何か人知を超えた「何か」を封じ、そして今もなお守り続けている場所なのではないだろうか。
足を踏み入れる者は、それを解き放つ危険性を覚悟しなければならない。
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