香川県観音寺市にある名勝・琴弾公園には、観光地としての華やかな顔の裏で、不気味な心霊現象が囁かれている。今回は、琴弾公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
琴弾公園とは?

琴弾公園(ことひきこうえん)は、香川県観音寺市に位置する香川県営の都市公園である。
開設は1897年(明治30年)と古く、面積は約38.6haに及ぶ。
設計は園芸師・小沢圭次郎によるもので、1936年には国の名勝に指定され、さらに瀬戸内海国立公園の一部にも含まれている。
園内には、琴弾山山頂に鎮座する琴弾八幡宮をはじめ、四国八十八箇所第68番札所・神恵院、第69番札所・観音寺があり、歴史と信仰の深い土地である。
また、象ヶ鼻岩銭形展望台からは、白砂で描かれた巨大な「寛永通宝」の砂絵や燧灘に浮かぶ伊吹島を望むことができ、その景観は四国八十八景の一つにも数えられる。
春には桜が咲き誇り「日本さくら名所100選」に選ばれ、夕暮れには瀬戸内海に沈む夕日が「日本の夕陽百選」として人々を魅了する。
観光地、名所、信仰の地――その多面性を持つ琴弾公園は、同時に心霊の噂を秘めた場所でもある。
琴弾公園の心霊現象
琴弾公園の心霊現象は、
- トイレや園内で不審な影を見たという報告
- 入口の石段に祭りの夜、幽霊が現れるという話
- 人気のない場所で人の気配や声がする怪異
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、公園内のトイレは「自殺があった」との噂が絶えない場所である。
特に夜間に訪れると、冷たい気配と共に背後に視線を感じるといわれ、振り返ると人影が消えるという体験談が多い。
また、園内では「不審な影を見た」という報告が繰り返されている。
街灯に照らされることのない位置を、まるで誰かが横切るかのように黒い影が走る。
その姿は一瞬で消え、後には闇だけが残る。
さらに、入口の石段は特に不気味な噂が根強い。地元では祭りの夜、この石段に「得体の知れない幽霊が現れる」と語られる。
着物姿の女性や、顔の判別できない人影が現れ、目撃者の前からふっと消えるとされる。
そして、人のいないはずの場所で「気配」や「声」を感じる怪異もある。
園内を歩くと背後から足音がついてくる、あるいは誰もいない木陰から囁くような声がするという証言が残されている。
琴弾公園の心霊体験談
ある訪問者は夜に公園を散策していたところ、公衆トイレの中で「ガタン」と仕切りのドアが閉まる音を聞いた。
恐る恐る確認したが、中には誰もいなかったという。
また、別の人物は祭りの夜に石段を登っている最中、白い着物を着た女性の後ろ姿を見たが、声をかけた瞬間、女性の姿はふっと闇に溶けるように消えたという。
琴弾公園の心霊考察
琴弾公園は観光地としての明るさとは裏腹に、信仰と歴史を重ねた地であり、古くから人々の営みや祈り、そして死と隣り合わせに存在してきた場所である。
公園内に点在する寺社仏閣は霊的な結界として機能する一方で、その周辺に溜まる「念」は時に形を持ち、訪れる者の前に姿を現すのかもしれない。
トイレでの怪異は自殺の噂と結びつき、祭りの夜に現れる幽霊は「死者が人の集まりに惹かれる」という古い信仰とも関連している可能性がある。
影や声の怪異は、この土地に残された強い残留思念の表れとも考えられる。
琴弾公園は名勝として人々を惹きつける場所であると同時に、見えない存在が息づく“心霊の舞台”でもあるのかもしれない
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