愛媛県砥部町にある銚子ダムには、かつての戦乱に起因するとされる数々の怪異が囁かれている。銚子ダムは、銚子ダムにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
銚子ダムとは?

銚子ダムは愛媛県伊予郡砥部町大字川登に位置し、重信川水系銚子川に築かれたロックフィルダムである。
堤高は47.2m、堤頂長は142mを誇り、1972年に着工し1977年に完成した。
春には湖畔に植えられた桜が咲き誇り、周辺には無料のキャンプ場や銚子ダム公園も整備され、観光やレジャーを目的に訪れる人々も多い。
しかし、穏やかな風景の裏には血で染められた歴史が横たわっている。
近隣の城山には、かつて伊予十城のひとつ千里城が築かれていたが、戦国時代に長曽我部の軍勢によって落城し、数多の武士が無念の死を遂げた。
その怨念が現在もこの地に漂い続けていると噂されているのである。
銚子ダムの心霊現象
銚子ダムの心霊現象は、
- 湖畔やキャンプ場周辺で「武士の霊」が目撃される
- 夜間にザッザッという草履のような足音が聞こえるが、周囲に誰もいない
- ダム周辺で不気味な気配を感じ、背後に視線を感じる
- カメラで撮影すると、人影のようなものが写り込むことがある
である。以下、これらの怪異について記述する。
銚子ダムで最も多く語られるのは「武士の霊」の出現である。
湖畔を歩くと、鎧兜をまとった影が立っているのを見たと証言する者が後を絶たない。
特に、銚子ダム公園やキャンプ場付近ではその目撃談が集中しており、まるで武士たちが城を失った無念を晴らすかのように彷徨っているかのようである。
また、深夜にキャンプをした者の証言によれば、テントの外でザッザッと規則正しく近づいてくる足音を聞いたという。
慌てて外に出て確認するも、そこには人影どころか獣の姿さえなかったとされる。
音だけが確かに存在したという事実が、恐怖を一層際立たせる。
さらに、城山から吹き下ろす風が止まるとき、不意に背後から視線を感じるという体験も多い。
ふり返っても誰もいないが、背筋に冷たいものが走り、その場から逃げ出したという人もいる。
写真撮影の際に不可解な人影が写り込む事例も報告されており、軽い気持ちで訪れた者にとっては背筋を凍らせる出来事である。
銚子ダムの心霊体験談
ある利用者はキャンプをした夜、就寝前にテントの外から「ザッザッ…ザッザッ…」と乾いた草履のような足音を聞いたという。
不審者を疑い慌てて外に出たが、そこには誰もおらず、静寂だけが広がっていた。
後になってこの地に武士の霊が現れるという噂を知り、あの足音が生きた人間のものではなかったのではないかと恐怖を語っている。
銚子ダムの心霊考察
銚子ダムにおける心霊現象の多くは、かつての千里城の落城と深い関わりがあると考えられる。
長曽我部による侵攻で無数の命が散り、その無念がこの地に留まり続けているのだろう。
特にダムや公園といった城に隣接する場所での目撃談が多いのは、武士たちの魂が今なお故郷の地を彷徨い続けている証左ともいえる。
表向きは観光地として賑わいを見せる銚子ダムであるが、その夜の闇には決して触れてはならない何かが潜んでいる可能性がある。
訪れる際には不用意に長居せず、軽い気持ちで挑まぬ方が無難である。
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