高知県四万十川のそばに位置する三島歩道トンネルは、全長311メートルにも及ぶ古い歩行者専用トンネルである。周囲に人家はなく、昼間でも薄暗い内部は異様な雰囲気を漂わせている。今回は、三島歩道トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
三島歩道トンネルとは?

三島歩道トンネルは、高知県四万十川の近くに位置する全長311メートルの歩行者専用トンネルである。
竣工は1985年であり、並走する車道トンネル「三島トンネル」(1966年完成・249メートル)と対をなしている。
車道トンネルは古さはあるものの人の気配があるため恐怖は薄いが、歩道トンネルは周囲に民家がなく、昼間でも薄暗い内部が続くことから異様な雰囲気を放っている。
すぐ近くには観光地として知られる「第一三島沈下橋」や鉄橋があり、四万十川の清流と並ぶ風景は写真撮影スポットとしても有名である。
しかし、その明るい景観の裏に、この歩道トンネルは「心霊スポット」としての顔を隠しているのである。
三島歩道トンネルの心霊現象
三島歩道トンネルの心霊現象は、
- トンネル内だけに霧が発生する
- 霧の中から複数のざわめきが聞こえてくる
- 声の主がわからないまま、複数の影が近づいてくる
- 311メートルの長さゆえ逃げ場がなくなる
である。以下、これらの怪異について記述する。
このトンネルの最も不気味とされるのは「霧」である。
外が晴れていても、なぜかトンネル内だけが白く煙るように濃霧に包まれることがある。
その霧が広がると同時に、どこからともなく「ざわざわ……ざわざわ……」と複数人の話し声が響いてくるという。
声ははっきりとした言葉を結ばず、低いざわめきがこだまのようにトンネルに反響し、聞く者を不安に陥れる。
さらに恐ろしいのは、その霧の中に「人影」が現れることである。
影は数人分に見えることが多く、ゆっくりと歩み寄ってくるように感じられるが、近づくほどに輪郭がぼやけ、実体を結ばない。
足音はせず、ただ気配だけが迫ってくるという報告もある。
311メートルという長さは、走り抜けるにはあまりに遠く、振り返っても出口が小さな点にしか見えない。
濃霧と人影の中で立ちすくむ者にとって、この距離は永遠にも感じられるのである。
三島歩道トンネルの心霊体験談
ある訪問者は、夏の夜に懐中電灯を持って三島歩道トンネルに入った。半ばほどまで進んだとき、突然ライトの光が白く霞み、目の前が霧で覆われたという。
その時「ざわざわ……」と耳元で人の気配がし、背筋が凍った。
慌てて走り出したが、出口までの距離は思うように縮まらず、何度も後ろから影が迫ってくる感覚に襲われた。
ようやく外に飛び出した時には全身が汗で濡れ、足が震えていたと語る。
三島歩道トンネルの心霊考察
三島歩道トンネルに現れる霧と人影の噂は、単なる自然現象とは言い切れない。
トンネル内の湿度や気温差によって霧が生じることはあり得るが、その中から聞こえる「ざわめき」や、説明のつかない「影」の存在は物理現象では説明できない。
近隣には四万十川や沈下橋といった自然景観があるが、人の往来が少ないことが逆に不気味さを助長している。
長大な閉鎖空間に濃霧が立ち込め、そこに何者かの気配が混じるとき、訪れた人間は強烈な恐怖を体験するのである。
三島歩道トンネルは、美しい自然に寄り添う形で存在しながらも、その内部に足を踏み入れた者には「逃げられない恐怖」を与える心霊スポットとして知られているのである。
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