高知市鴨部にある紅葉橋は、一見すると住宅街に溶け込んだ普通の橋である。しかしその下の河原は、江戸時代に罪人の処刑や晒し首が行われた雁切河原であり、今なお祟りや怪異の噂が絶えない。今回は、紅葉橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
紅葉橋とは?

紅葉橋(もみじばし)は、高知市鴨部の鏡川に架かる橋である。
明治2年(1869年)に架橋された当初は「雁切橋(がんきりばし)」と呼ばれていた。
現在は住宅街や学校の近くに位置しており、一見すると平凡な生活道路の一部に過ぎない。
しかし、その下に広がる河原には、かつて罪人の命が絶たれ、首が晒された処刑場「雁切河原」が存在していたのである。
紅葉橋の心霊現象
紅葉橋の心霊現象は、
- 河原に降りると原因不明の高熱に襲われる
- 夜に首のない武士の姿が現れる
- 処刑者の呻き声のような声が川面から響く
- 橋を渡ると背後から足音がついてくる
である。以下、これらの怪異について記述する。
紅葉橋はかつて「雁切橋」と呼ばれた。
雁切の「雁」とは首や頭部を意味するとも伝えられ、この地が首斬りと晒し首の場であったことを暗示している。
江戸時代、ここ雁切河原は土佐藩の処刑場・梟首場として機能していた。
幕末には「人斬り以蔵」と呼ばれた岡田以蔵の首が晒され、また土佐藩参政・吉田東洋の首もここに運ばれたという。
川岸には「首を洗った水溜まり」が存在したと伝えられ、子どもたちでさえ近寄るのを嫌がったとされる。
その因縁のせいか、現在でも橋の下に降りた者が体調不良に陥る、あるいは何者かに見られている感覚を覚えるといった噂が絶えない。
紅葉橋の心霊体験談
ある若者たちが肝試しに河原へ降り、処刑場跡付近で遊んでいたところ、帰宅後に全員が高熱を出したという。
また別の人物は夜に橋を渡った際、背後に確かに足音を感じながらも振り返ると誰もいなかったと語っている。
さらに川面を覗き込んだ人が「水面に浮かぶ首」を見てしまい、その後長く悪夢に悩まされたという証言もある。
紅葉橋の心霊考察
紅葉橋周辺にまつわる怪異は、かつての処刑場としての過去と深く結びついていると考えられる。
罪人や志士たちが絶命した無念の念が、今も川面や河原に染み付いているのだろう。
特に「原因不明の高熱」は、祟りの典型的な症状とされており、命を奪われた者の怨念が肉体に作用しているのかもしれない。
一見すると平和な住宅街の中にある橋でありながら、その下には血に濡れた歴史と怨念が眠っている。
紅葉橋は、今なお静かに人々を試す場所なのである。
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