高知県土佐清水市の国道321号線沿いに残された廃墟「ドライブイン二浜」。かつて食事処や民宿として利用されていた建物であるが、現在は黒ずんだ外壁と閉ざされた窓が異様な存在感を放っている。廃墟の前に並ぶ自動販売機は今も稼働しており、その違和感から不気味さが一層際立つ。今回は、ドライブイン二浜にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ドライブイン二浜とは?

ドライブイン二浜は、かつて「お食事処」と「民宿」の両方を兼ね備えた施設である。
国道321号線、通称サニーロード沿いに位置し、1970年前後に開業したと推測される。二階建ての建物で、地元の観光客やドライバーの休憩所として利用されていたようである。
しかし2012年頃には営業していない様子が確認され、2014年頃にはすでに廃業していたと見られている。
現在も建物自体は現存しており、黒ずんだ外壁にはツタが絡みつき、経年劣化による不気味な姿を晒している。
興味深いのは、建物が完全な廃墟であるにもかかわらず、建物前に置かれた自動販売機は今も稼働しているという点である。
窓にはブラインドが下ろされ、内部の様子をうかがうことはできず、昼間であっても異様な閉塞感を漂わせている。
ドライブイン二浜の心霊現象
ドライブイン二浜の心霊現象は、
- 建物の中から男の声が聞こえる
- 廃墟から視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
もっともよく語られるのは、自動販売機で飲み物を買っていた人々の体験である。
廃墟であるにもかかわらず、建物の奥から低い男の声が響いてきたという。
無人のはずの廃墟から突然声が聞こえるという現象は、強烈な違和感と恐怖を呼び起こすものである。
さらに、声と同時に「誰かが見ている」という感覚に襲われるという証言がある。
背筋を這い上がるような視線を感じ、振り返っても誰もいない。
ブラインドで覆われた窓の向こうに、こちらを見つめる存在が潜んでいるのではないか、そう考えると足がすくんで動けなくなるという。
ドライブイン二浜の心霊体験談
ある人物は、深夜にドライブイン二浜前の自販機で缶コーヒーを買っていた。
静かなはずの夜に、不意に「おい」という男の声が背後から聞こえた。
慌てて振り向いたが、誰もいない。ただ、廃墟の暗い窓だけがこちらを見つめ返していたという。
その瞬間、背中に氷を押し当てられたかのような寒気を覚え、逃げるようにその場を後にしたと語っている。
ドライブイン二浜の心霊考察
ドライブイン二浜は心霊スポットとして広く知られているわけではない。
しかしながら、廃墟特有の「時間が止まったような異様さ」が強く残されている場所である。
自動販売機が稼働し続けるという「生」と、黒ずんで閉ざされた廃墟という「死」が同居する風景は、訪れる者に強い違和感を与える。
その違和感が「声」や「視線」として体験されるのではないだろうか。
あるいは、かつてこの場所を訪れ、二度と帰らなかった誰かの気配が、いまなお建物の奥でうごめいているのかもしれない。
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