高知市の県道沿いに佇む廃墟「温泉ホテル香亜羅」は、営業当時から奇妙な噂が絶えなかった場所である。今回は、温泉ホテル香亜羅にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
温泉ホテル香亜羅とは?

温泉ホテル香亜羅(こあら)は、高知県高知市の県道270号線沿いに建つ4階建ての中規模ホテルである。
開業時期は不明ながら、1980年代以降に営業を開始したとされる。
「香亜羅ホテル」や「温泉ホテル香亜羅」として少なくとも20年近くは存在していたらしく、現役当時から「不気味なホテル」として地元に囁かれ、心霊スポット扱いされていたという。
廃業後はさらに荒れ果て、2012年頃には外壁の黒ずみや塀の劣化が目立ち、駐車場入口が金網で封鎖されていたらしい。
にもかかわらず、その後もロープの追加や脚立の移動など、人の気配を感じさせる管理が続いているのが奇妙である。
現在でも取り壊されずに現存しており、今もなお不気味な存在感を放っている。
温泉ホテル香亜羅の心霊現象
温泉ホテル香亜羅の心霊現象は、
- 駐車場の金網越しに「出してー」「助けてー」という女の声が聞こえる
- 夜間、廃墟の窓に人影のようなものが立っている
- ホテル周辺で不可解な足音や話し声が響く
- 誰もいないのに、駐車場から金属音やガサガサとした物音がする
である。以下、これらの怪異について記述する。
もっとも有名なのが「助けて」という声の怪異である。
夜、ホテルの前に立つと、金網で閉ざされた駐車場の奥から女性の叫び声がはっきりと響くという証言が多い。
しかも、その声は金網に近づくほど鮮明に聞こえるといい、まるで閉じ込められた誰かが必死に訴えているかのようである。
また、廃墟の窓には、深夜になると黒い人影が立っているのを見たという報告がある。
長時間凝視しても動かないため、人間が立ち入った形跡はない。
ホテルの荒れ具合からして人が滞在することは考えにくく、それが余計に不気味さを際立たせている。
さらに、人気のない駐車場や廊下から、コツコツと足音が響く、複数人の話し声が聞こえる、といった体験も報告されている。
時には、ガサガサと物を引きずるような音や、金属が打ち鳴らされるような不自然な音まで聞こえるといい、訪れた者を恐怖で足止めさせる。
温泉ホテル香亜羅の心霊体験談
ある地元住民の体験によれば、深夜に友人と肝試しに訪れた際、駐車場の金網の向こうから女の叫び声を耳にしたという。
最初は酔った人間の悪ふざけかと思ったが、声ははっきりと「助けて」と繰り返し、背筋に冷たいものが走った。
恐怖のあまりその場を立ち去ったが、後に仲間に確認したところ、全員が同じ声を聞いていたと証言している。
また別の人物は、ホテルの窓に立つ黒い人影を目撃した。懐中電灯を向けると影は消えたが、数分後に再び現れたという。
足がすくみ、直視できなくなったため逃げ帰ったというが、その後数日間、夜になると誰かに見られている感覚に悩まされたという。
温泉ホテル香亜羅の心霊考察
温泉ホテル香亜羅にまつわる怪異は、単なる噂話として片づけられるにはあまりにも具体的である。
「助けて」という声が金網越しに聞こえる現象は、建物の内部に閉じ込められた怨念の表れである可能性が高い。
現役当時から心霊の噂が絶えなかった背景には、宿泊者の死や事故など、表に出ない出来事が潜んでいたのかもしれない。
また、建物が今も撤去されず、一定の管理が続いている点も不可解である。
人が寄りつかない廃墟でありながら、あえて現状維持されていること自体が、まるで「触れてはいけない場所」であるかのような印象を強める。
温泉ホテル香亜羅は、単なる廃墟ではなく、今もなお強い怨念が渦巻く“生きた心霊スポット”である可能性が否定できない。
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