高知市の五台山にひっそりと鎮座する「妙見宮星神社」。地元では霊感の強い者が「何か」を感じるというウワサがあり、遍路道近くで起きた自殺や、夜に足音がついてくるといった話が囁かれている。今回は、妙見宮星神社にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
妙見宮星神社とは?

妙見宮星神社は、高知県高知市の五台山中腹に鎮座する古社である。
祭神は天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)であり、北極星を神格化した「妙見信仰」の中心的存在であるとされる。
創建の年代は定かではないが、元禄年間(17世紀末)にはすでに妙見社として祀られていたと伝えられる。
社殿へと続く石段はおよそ420段にも及び、参拝者は竹林に包まれた静寂の中を登りながら、まるで俗世から切り離されたような感覚を覚えるという。
昭和十年(1935年)に再建され、地域の人々に「星神社」として親しまれてきた。
例祭は毎年10月23日に執り行われ、五穀豊穣と無病息災を祈る神事が今も続いている。
五台山の豊かな自然と、遍路道に近いという地理的特徴から、古来より巡礼者や修行者が足を運ぶ場所でもあり、信仰と静寂が共存する神聖な空気を漂わせている。
妙見宮星神社の心霊現象
妙見宮星神社の心霊現象は、
- 線香の匂いが風に乗って漂う
- 夜、背後からついてくる足音
- 竹林の中で人の気配を感じる
- 石段で人影のようなものを見る
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、もっとも有名なのが「遍路道での自殺」である。
古くは巡礼者が命を絶ったという話もあれば、近年にも首吊りがあったという噂もある。
真偽は定かではないが、神社周辺では線香の匂いが風に乗って漂うことがあるという。
次に、夜間に「足音がついてくる」という現象である。
特に石段を登る途中で、後方から草履のような足音が響くにもかかわらず、振り向くと誰もいないという報告が複数ある。
霊感の強い者によれば「見えない何かが登拝者を見送っている」という。
また、竹林の中では人の気配や視線を感じるという話もある。
風が止んだ夜、葉が擦れるような音とともに、白い影のようなものが揺れるのを見たという証言がある。
最後に、石段の途中で“上から人が落とされた”という昔話が残る。
かつて疫病が流行した時代、感染者を石段の上から突き落として殺していたという残酷な伝承があり、それ以降、夜の石段では呻き声やうめきが聞こえるといわれている。
妙見宮星神社の心霊体験談
実際にこの神社を訪れた者の中には、「背後から足音が聞こえた」と語る者がいる。
昼間であっても、竹林の中の石段は薄暗く、風の音さえ人の囁きのように感じるという。
一人の参拝者は「登り始めてすぐ、後ろに誰かがついてくる音がした。振り返っても誰もいない。
それでも足音だけは同じ間隔で続いていた」と語っている。
また、別の参拝者は「420段を登りきった瞬間、耳鳴りのような圧がかかり、空気が一変した」と証言している。
妙見宮星神社の心霊考察
妙見宮星神社にまつわる怪異は、長い歴史と人々の信仰の裏側に潜む“恐れ”が形となったものと考えられる。
遍路道での死、疫病による悲劇、そして竹林の静寂――それらが重なり合い、訪れる者の心に「何かがいる」という感覚を植えつけているのだろう。
この場所には確かな“人の祈り”と“恐れ”が同居している。昼間はただの古社に見えるが、夜になればその静けさが一転して「見えない何か」の気配に変わる。
妙見宮星神社は、単なる心霊スポットではなく、時代に取り残された“祈りの痕跡”が生々しく残る場所である。
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