高知県にある赤土歩道トンネルには、かつてトンネル内で老婆が亡くなったという噂が残されており、夜になるとその霊が現れると囁かれている。今回は、赤土歩道トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
赤土歩道トンネルとは?

赤土歩道トンネルは、高知県の国道33号沿いに位置し、佐川町と越知町を結ぶ「赤土トンネル」の隣に設けられた歩行者・自転車専用のトンネルである。
もともとの赤土トンネルは昭和32年に延長365メートル、全幅7メートルで完成したが、時代とともに交通量が増加し、歩行者や自転車が通行するには危険な状況となっていた。
このため、2年間の調査を経て昭和56年度に歩道トンネルの建設が着工され、昭和58年3月に「赤土歩道トンネル」として完成した。
地域住民の安全を守るための施設であり、完成当初は地元からも歓迎されたが、いつしかこの場所には不可解な噂が流れるようになったという。
赤土歩道トンネルの心霊現象
赤土歩道トンネルの心霊現象は、
- トンネル内で老婆の霊が目撃される
- 壁面に染み出た水の跡が人の顔に見える
- 通行中に誰もいないのに背後から足音が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
赤土歩道トンネルの内部は、昼間でも薄暗く、照明が点いていてもどこか湿った空気に包まれている。
トンネルの壁面には、地下水がしみ出してできた黒ずんだ跡が点々と残り、その一部がまるで人の顔のように浮かび上がって見えるという。
特に、出口付近の右側の壁にある染みは、目・鼻・口の輪郭がはっきりと分かるほどで、夜に見ると不気味なほど「誰かが覗いている」ように感じられる。
さらに、この場所では夜間に老婆の霊を見たという証言が後を絶たない。
薄暗い照明の下、杖をついたような影がゆっくりと通り過ぎるのを見たという人や、通り抜けた瞬間に背後から足音がついてきたという体験談もある。
誰もいないはずのトンネルで、自分の足音とは別に“もう一つの音”が響くというのである。
赤土歩道トンネルの心霊体験談
ある地元住民の話によれば、夜に自転車でトンネルを抜けようとした際、入り口で冷たい風が吹き抜け、明かりが一瞬だけ消えたという。
その直後、後ろから「カツ…カツ…」とゆっくりした足音が聞こえ、恐る恐る振り返ると、誰もいなかった。
不思議に思いながら出口まで走り抜けたが、外に出た瞬間、耳元で「行かんとき…」と老婆のような声がしたという。
この体験談以降、夜に赤土歩道トンネルを通る人はほとんどいなくなった。
今では地元でも「夜は通らんほうがえい」と言われているという。
赤土歩道トンネルの心霊考察
赤土歩道トンネルで語られる老婆の霊の噂は、「かつてトンネル内で亡くなった女性がいた」という話に由来するようである。
ただし、公式な記録や報道は残っておらず、真相は定かではない。
それでも、壁の染みが人の顔に見えるという現象や、独特の湿気・閉塞感が人の恐怖心を刺激し、そこに“何かがいる”という錯覚を生むのかもしれない。
一方で、体験談の多くは共通して「足音」「冷気」「声」といった感覚的な異常を訴えており、単なる思い込みとは言い切れない部分もある。
昼間は静かな通路として利用されるが、夜になるとどこか別の世界に繋がっているような不気味さを放つ場所――それが赤土歩道トンネルである。
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