高槻市・摂津峡の入口に佇んでいた老舗旅館「かじか荘」。その姿はすでに失われつつあるが、周辺ではかつて起きた自殺事件や廃墟の点在などから、不気味な噂が静かに残り続けている。今回は、かじか荘にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
かじか荘とは?

かじか荘は、高槻市の摂津峡入口に位置していた温泉旅館である。
昭和31年(1956)に開業し、芥川の流れを望む立地から、観光客や地元の利用客に親しまれてきた。
しかし2010年2月18日、半世紀以上の歴史を閉じ、建物は解体されて跡地のみが残る状態となった。
かつては蒸し風呂を名物とし、桜や新緑、ホタルが見える景観の良さで知られたが、閉館後は人の気配が消え、季節外れの摂津峡周辺とともに独特の静けさに包まれている場所である。
摂津峡一帯では過去に自殺事案が複数あったとされ、地域全体に薄暗い噂がつきまとっている。
特に、かじか荘入口の門に車で突っ込み自殺を図った男性の話は、今も語り継がれているという。
現在は再整備が進んでいるが、一時期は旅館跡や周辺の廃墟が増え、レジャースポットと心霊の境界が曖昧な時期が続いた地域である。
かじか荘の心霊現象
かじか荘の心霊現象は、
- 摂津峡一帯の夜間の不気味さ
- 具体的な怪異は不明であるが、場所によって寒気を覚える
である。以下、これらの怪異について記述する。
摂津峡一帯は長く地元の憩いの場として知られているが、その一方で、上流域では過去に自殺が複数あったと語られている。
これらの出来事が蓄積するように、渓谷全体にどこか薄暗い影が差し込み、特に観光シーズンを外れた時期は人影も少なく、川の音だけが響く静かな空間となる。
その静けさに不安を覚える者が少なくなく、やがて“心霊スポットらしい”といった噂が口伝えに広がったのである。
かじか荘そのものに目立った怪異の記録はない。
しかし、周囲には廃墟が点在していた時期もあり、夜に歩くと足元から冷気が這い上がるような感覚を覚えたという証言がわずかに残っている。
冷風の流れや渓谷特有の気温差と説明することもできるが、人によってはそれを「理由のない寒気」と捉え、不気味さを強めているのである。
かじか荘の心霊体験談
かじか荘に関する明確な体験談は多く残されていない。
ただ、摂津峡を夜に訪れた人々の中には、人気のない川沿いを歩いた際、背後に人の気配を感じた、あるいは風の音とは異なるかすかな音を聞いたといった証言がある。
いずれも曖昧であり、実際に何かが起きたかどうかは不明である。
しかしその曖昧さこそが、この地の不気味さを際立たせているのである。
かじか荘の心霊考察
かじか荘周辺にはっきりした怪異が記録されていないことを考えると、心霊スポットと呼ばれる背景は、摂津峡上流で過去に起きた自殺と、渓谷特有の静寂が結びついた結果と考えられる。
特に夜間の摂津峡は、街灯の少なさと谷底に溜まる冷気が重なり、人によっては異常なほどの寒気を感じる。
その感覚が恐怖を生み、やがて“霊の気配”として語られるようになった可能性が高い。
つまり、かじか荘の心霊性は派手な怪異ではなく、“この場所に漂う静かな不気味さ”そのものに由来しているといえる。
人の記憶と噂が積み重なり、実態の曖昧なまま心霊スポットとして認識され続けているのである。


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