摂津峡は北摂を代表する景勝地として知られる一方、過去に自殺や転落事故が相次いだ場所でもあり、現在も不可解な目撃談や得体の知れない気配が語られている渓谷である。今回は、摂津峡にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
摂津峡とは?

摂津峡は大阪府高槻市の芥川上流に位置する渓谷であり、1938年に府の名勝に指定された景勝地である。
奇岩や断崖、滝が連なる約4kmの渓谷美から「摂津耶馬渓」とも呼ばれ、四季折々の自然が訪れる者を魅了してきた。
公園として整備されたのは1956年で、総面積42ヘクタール超の山林地帯には、多くの遊歩道や展望台、奇岩群が点在している。
観光地として親しまれる一方で、長い歴史の中で幾度かの転落事故や自殺が起きており、それらに関連した不可解な噂が囁かれ続けている場所である。
摂津峡の心霊現象
摂津峡の心霊現象は、
- 母子心中の現場周辺で女性と子どもの霊が目撃される
- 渓谷沿いで「人の気配」としか言いようのない足音がついてくる
- 夜の遊歩道で金属が触れ合うような音が聞こえる
- 崖付近で亡くなった人影のような黒い影が立っているのを見たという証言がある
である。以下、これらの怪異について記述する。
摂津峡で最も知られる心霊の噂は、渓谷に上がる途中に位置する側道で起きた母子の心中事件である。
母親が車内で火を放ち、幼い子ども2人を巻き添えに焼身自殺を図った悲惨な出来事で、以来、この付近では白い服の女性と子どもの姿を見たという証言が相次いでいる。
目撃者によって語られる姿は一致しておらず、炎に包まれたような影を見たという人もいれば、無表情で立ち尽くす親子の姿を「気配」として感じた者もいるという。
また、渓谷沿いの遊歩道では、夜間に「後ろを誰かが歩いている」と感じる体験談が多い。
足音は近づいたり遠のいたりを繰り返すが、振り返っても誰もいない。
これは、過去に渓谷で亡くなった者たちの残留思念だと囁かれている。
さらに、茨木北部の山間部に近いエリアでは、金属がこすれ合うような「チャリ…チャリ…」という異様な音が聞こえることがあるという。
深夜の山中で、人工的な音だけが静寂に響く現象は、金属製の鎖や器具を使った労働に従事していた者たちの痕跡ではないかと推測されている。
そして近年では、2022年2月、高齢の兄弟が渓谷近くの崖から転落し死亡する事故が起きている。
現場を知る者たちの間では、この周辺で黒い影が立ち尽くしていたという噂が以前からあり、事故との関連を不気味に語る声も少なくない。
摂津峡の心霊体験談
摂津峡の近隣に住む学生の間では、夜の渓谷は「とにかく空気が重い」と言われている。
ある者は深夜、人気のない遊歩道を歩いていた際、背後から馬の蹄のような「パカ…パカ…」という音を聞いたという。
奇妙なのは、その音が山中の奥ではなく、なぜか自分のすぐ後ろからついてくるように響いた点である。
恐怖に駆られ振り返ったとき、そこには何もなかったが、音だけは森の奥に吸い込まれるように消えていったという。
別の体験者は、渓谷沿いの細い道を歩いていると、金属の音が突然茂みの奥から響き、何かがそこで作業しているような「チャリチャリ」という生活感のある音だったと証言している。
懐中電灯で照らしても何も見えず、ただ音だけが続いていたため、その場から逃げるように離れたという。
摂津峡の心霊考察
摂津峡では、過去の事件・事故に関連する心霊の噂が複数あり、その多くが「音」と「気配」という形で現れている点が特徴である。
母子心中の現場では、焼死した者の無念さが強く残留し、周囲に強烈な“気配”として漂っている可能性がある。
また、山中で聞こえる金属音や蹄のような音は、自然界の音として説明できない事例が多く、かつての労働や事故に由来する残留思念とも解釈できる。
渓谷の地形は狭く音が反響しやすいため、心理的な影響によって恐怖が増幅されやすい場所である。
しかし、その反響では説明できない「一定の距離を保ちながらついてくる足音」や「人工的な金属音」が複数の体験者によって語られているのも事実である。
摂津峡は観光地として賑わう一方、深い歴史の中で多くの命が失われた場所でもある。
その積み重なった記憶が、現在もなお渓谷の空気に染み込むように残っており、訪れる者が“何か”を感じる理由になっているのだと考えられる。
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