厚狭川の河口に位置する厚狭港には、白い手が水面から現れる、干潟で子どもの声が響くなど、数々の不気味な心霊現象が囁かれている。今回は、厚狭川河口(厚狭港)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
厚狭川河口(厚狭港)とは?
の外観.jpg)
厚狭川(あさがわ)は、山口県美祢市を源とし、山陽小野田市を経て周防灘へと注ぐ二級河川である。
その河口に広がる厚狭港は、釣りや潮干狩りが盛んな地として知られ、干潮時でも海水が残るため、魚影が濃い。
護岸や外波止には多くの釣り人が訪れ、ハゼやシーバス、カレイなどを狙う姿が見られる。
また、周辺はシギ・チドリをはじめとする多種多様な渡り鳥の飛来地としても有名であり、自然観察の名所でもある。
しかし、この静かで豊かな自然の裏側には、かねてより奇妙な噂が囁かれている。
干潟に沈みゆく太陽を見つめる者の背後に、何かが“立っている”という報告が後を絶たないのである。
厚狭川河口(厚狭港)の心霊現象
厚狭川河口(厚狭港)の心霊現象は、
- 河口の水面に、手招きをする白い人影が現れる
- その姿は見る者によって異なり、人形のような黒い影に見えることもある
- 波止の先端で、誰もいないはずの方向から足音が聞こえる
- 潮が引いた干潟で、子どもの笑い声が響く
である。以下、これらの怪異について記述する。
厚狭港の波止先端付近では、特に夜間になると異様な気配を感じたという釣り人の証言が多い。
波の音に混じって足音が響き、振り返っても誰もいない。
だが、再び前を向いた瞬間、海の方から“白い手”が水面に浮かんでいたという話もある。
また、護岸に沿って歩いていた人物が、水面に立つ女を見たとの証言を残している。
その女はじっとこちらを見つめ、手を振っていたというが、数秒後には跡形もなく消えていたという。
最も不気味なのは、潮が大きく引いた干潟に現れる“子どもの声”である。
姿は見えないが、「こっちおいで」と囁く声や、「みつけた」という声が背後から聞こえるという。
中には、足元の泥の中から無数の手が伸びてくる幻覚を見た者もいる。
これらの現象が発生するのは、特に霧が出た夜や、風が止んだ静かな満潮前後に集中している。
厚狭川河口(厚狭港)の心霊体験談
ある釣り人の体験談によれば、秋の夜に波止で釣りをしていたところ、海中に何かが動く気配を感じた。
懐中電灯を向けると、白く長い“腕”のようなものが水面に揺れていたという。
その場から逃げようとした矢先、足元から濡れた子どもの手が足首を掴んできた。
驚いて飛び退いたが、周囲には誰もおらず、ただ生臭い海風だけが残っていた。
また別の人物は、昼間に訪れたにもかかわらず、海の方から微かに笑い声が聞こえたという。
「人形がいる……」とつぶやいた子どもを連れてすぐにその場を離れたが、帰宅後も子どもはずっと黙ったまま、夜中に「人形がまだ見てる」と言って泣き出したという。
厚狭川河口(厚狭港)の心霊考察
厚狭川河口は、漁業や水運の歴史が深い土地であり、その流域では古くから水難事故も数多く記録されている。
特に、干潟は足を取られやすく、誤って命を落とす者も少なくなかったとされる。
人形のような影、手招きする幽霊、水面に漂う白い手は、こうした“溺れた者の未練”の象徴である可能性が高い。
また、厚狭港周辺は「厚狭の寝太郎」などの民話が残る土地柄であり、古くから土地と人との結びつきが強い場所でもある。
その歴史の中で、見過ごされてきた“誰かの想い”が、形を変えて現れているのかもしれない。
風のない静かな夜、潮が満ちる時刻――厚狭川河口では、人ならざる“何か”があなたを待っているかもしれない。
コメント